Movable Type 4、UI一新でサイト全構築の動きへ

シックス・アパートは5日、メジャーアップデートとなるサーバサイドのブログシステムMT4の発表会見を行った。新版ではCMSとしての側面も持たせ、アーキテクチャを刷新した。

» 2007年06月05日 15時27分 公開
[ITmedia]

 シックス・アパートは6月5日、同社のブログソフトウェアMovable Typeのメジャーバージョンアップとなる「Movabel Type 4」の発表会見を行った。

 同社は、同サーバサイドのMovable Type(2001年10月より販売、個人では累計約50万ユーザー)を始め、ASPである「TypePad」(2003年10月より販売開始)、ブログサービス「VOX」(2006年10月より開始)を製品としてそろえるブログシステムの専業ベンダー。大別するとVOXをコンシューマ向けの製品サービスとして位置付け、企業向けとしてMT(Movable Type Enterprise含む)、TypePadを位置付けているという。

 同社、代表取締役の関信浩氏は会見で「これまで3年半の国内展開によって250社のブログ構築パートナーの賛同を得て、ブログサイト構築をけん引してきた。ブログは個人のホームページ作成にとどまらず、広報、マーケティング、コミュニティー、EC、社内ブログなどに利用されている」という動向背景について語った。

 また、これらの情勢を見据えた上で、時系列のいわゆる日記としてのブログにとどまらず、その更新の容易さを企業によるサイト構築に役立てるよう、Movable Type 4は進化を遂げたのだという。

静的HTMLも管理下に入りMTタグが使えるように

 同社、MT4を担当する金子順氏からは、製品の詳細についてが語られた。

 MT4はアーキテクチャが刷新されており、VOXやTypePadを基にして生まれ変わったのだという。MTプラットフォームとしてコア部を取り巻く「拡張パック」が用意され、従来までの「プラグイン」の考え方を一歩進め、包括的な“パック”(ソリューション)として提供していくと語られた。

刷新されたユーザーインタフェース。その外観だけでなく、アーキテクチャーそのものもTypePadやVOXの影響を受けているという

 インタフェースの一新も大きく、インストーラーの分かりやすさ、リッチな表現が可能なWYSIWIGエディター、入力中の投稿記事の自動保存などを挙げた。また、ローカルアプリケーションのように、タブからのプルダウンメニュー表示の採用や、コメントやトラックバックに対しての管理機能も刷新されており、複数ブログの選択と、例えば過去1週間の検索を行って1画面で管理することができるようになっている。

 CMSの側面における拡張も挙げられ、MT4上でブログ投稿記事以外の静的なHTMLページ作成や、複数ブログをまとめたポータルページ構築が可能な点を強調した。

 CMSとして特筆なのは、静的なHTMLをMT4上で管理でき、そのHTMLにもMTタグを利用することができる点だろう。このため、従来まではMTで管理できる領域と静的なHTMLページが分割されていたものが、MT4によって包括的な管理ができるようになった。

 コミュニティー機能の強化点としては、ユーザー管理機能の強化を筆頭として、特定のコメント投稿者にアカウント発行を行うことも可能とし、従来よりも柔軟性のある運用が可能となっている。また、世界的な広がりを見せるOpenIDも標準対応となり、アカウントによるログインを前提としたサイト構築も可能。また、「コミュニティーパック」(秋以降に出荷予定)として投稿者ごとの一覧やプロフィール紹介ページなどが作成できるよう、支援UIが追加されるソリューションも提供する。

 なお、6月5日14時から同社のサイト上でベータ公開を開始しており、製品出荷時からの新たなライセンス体系として基本ライセンスパック(1サーバ、5ユーザー:52,500円)を始め、追加ライセンス(5ユーザー:42,000円)などを明らかとした。また、個人ライセンスについては従来と同様サポートを含まず無償となっている。

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