情報通信法はブロガーを直撃するオルタナブログ通信(1/2 ページ)

延長国会で日程がズレた参院選。社保庁問題などが長期化する中、ブロガーはどう反応しているのか。そして新たに策定されようとしている情報通信法は――オルタナティブ・ブログでは、IT関連の時事ネタが独自解釈で発信される。

» 2007年06月29日 08時08分 公開
[森川拓男,ITmedia]

ブログから見る選挙動向

 国会が延長された影響で、この夏の参議院議員選挙の日程が、当初予定されていた7月22日から7月29日へと1週間ずれ込んだ。これは、重要法案を成立させるためだというが、たかが12日間の会期延長で何ができるというのだろうか。

 実際、政府・与党が考える最重要法案は、会期末までに成立させる見通しだ。このような形で決めるのならば、会期延長しなくてもよかったのではないのだろうか? いくら野党が抵抗したところで数があるのだから。

 選挙日程が1週間ズレたことで、誰が得をするのか。夏休み突入で投票率が低くなり、与党側が有利になるという思惑がある、という報道もあったが、果たしてそうだろうか。もっと、有権者は賢明だと思うのだが。ただし、「郵政解散」のように流されやすいのも事実なので、今後どう推移するのかは注視する必要がある。

 林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」は、政党の好感度や評判をブログから分析し、選挙動向を読む (1)というエントリーを投稿しているが、興味深い分析だ。

 まだまだブロガーの行動が実社会にどれだけ影響を与えるのかは微妙なところだが、それでも1つの世論には違いない。今後に注目したいと思う。

オルタナブログから見えてくるもの

 130組を超えるブロガーが参加しているITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」

 このオルタナティブ・ブログで1週間に投稿された内容から注目すべきものをピックアップし、ナビゲーションする目的で連載するのが、この「オルタナブログ通信」だ。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしてもらえれば幸いである。

 今回は、6月21日〜6月27日に投稿されたエントリーの中から、冒頭で取り上げたブログから見る選挙動向のほか、不祥事情報通信法などといったキーワードから筆者の視点で取り上げてみた。

6月21日〜6月27日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 今回は6月21日〜6月27日を「6月3週」として、オルタナティブ・ブログの「見える化」を行った。それぞれ開始日を基準にして、8週間分のデータをグラフ化している。

 グラフを見てもらえば分かるように今回は、投稿されたブログ数は53(前回比+1)ほぼ変わらないものの、全体のエントリー数はこの8週間で最低の161(前回比−16)と減少したのが分かる。

 それでは、今週のオルタナティブ・ブログで発信された話題から、幾つかを見てみよう。

責任の所在はどこに

 最近は、テレビやネットのニュース、新聞……、どれを見ても、あらゆる分野で不祥事や事件が頻発している。もちろん、これらのニュースもオルタナティブ・ブログで取り上げられるケースが多い。

 最近起きた重大事故といえば、やはり先週、渋谷のシエスパで発生した爆発事故。筆者が当日のニュースで現状を見た時、いったい何が起きたのか分からなかったくらい凄惨な光景だった。

 ここで問題となるのは、こういった事故などにおける責任の所在だ。

 山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」は、22日に投稿した爆発事故の責任は誰が負うべきかで、この件について検証を加えている。しかし、誰が最終的な責任者で責任を取るべきなのか、結論は出そうではっきりとしない。

 林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」企業の不祥事と重大事故に思うことで指摘するように、不祥事や重大事故を引き起こした会社は、社長のワンマン経営が多くを占めている。利点は、トップダウンがすぐに働くことだが、裏を返せば従業員などが“NO”を言えない体質となってしまう。

 そして、もう1つ騒がれた「偽装ミンチ事件」は、それが最も悪い方向で表面化したようだ。北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」ここまでくると、悪い意味で「立派」・・・の中で「偽装ミンチ事件」について触れ、ITプロジェクトでも同様のケースがあるとして例を挙げており、その内容も興味深い。

 会社では、定期的な会議があるだろうが、鶴田裕史氏「IT業界のマーケティングを問う」議論に走る前にしっかりと考えるにあるように、会議(議論)が目的ではなく、しっかりと目的意識をもって会社運営することで、このような不祥事や事故は防げるのではないだろうか。

 また、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」社会保険庁は、どこまで税金を捨て続けるのかにあるように、社会保険庁の問題もいまだに終わらない。結局は、責任の所在がハッキリしないからこそ、このような事態が続くといえよう。

情報通信法って?

 こうした動きがある中で、新たな法律が策定されようとしている。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」「情報通信法」(仮)でも触れられた、「情報通信法」だ。

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