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» 2007年07月17日 06時00分 UPDATE

Webマスターが変える 企業サイトの「秘力」:ホンダはこうした――発見! アクセス解析は広告の効果測定に使える(前編) (1/2)

テレビ、雑誌、新聞で展開した広告の影響力はどれほどなのか。宣伝した商品のサイトへのアクセス数からその効果を測定しているのがホンダだ――。

[岡崎勝己,アイティセレクト]

広告掲載に応じてアクセスが増えた

 Webサイトは21世紀のPOS(point of sale)システムである――。こう考え、宣伝活動の効果測定に企業サイトを活用し、注目を集める企業がある。自動車やバイクの独創的なラインアップで人気を誇り、モータースポーツの分野で多くの熱狂的ファンを集める本田技研工業(以下、ホンダ)である。

 ホンダは1996年にWebサイトを開設した。サイトの運営を統括する、日本営業本部宣伝販促部ホームページ企画ブロックのブロックリーダー営業主幹である渡辺春樹氏は、当時から企業サイトを宣伝活動の効果測定に活用するというアイデアに注目していたという。しかしながら、その採用は見送らざるを得なかった。母数としてのインターネットユーザー自体がまだ少なかったために、日々のアクセス数に大きな変化が見られなかったからだ。

 渡辺氏に転機が訪れたのは2003年。この時期を境に、一時的にアクセス増が散見され始めた。

 そこで、渡辺氏は早速、テレビ、雑誌、新聞などあらゆる媒体上の宣伝活動と自社サイトへのアクセス数の相関関係を探るために、独自調査を開始。月単位、日単位、さらに秒単位にまで踏み込んで、広告の掲載時期とアクセス数の変化をひも付けた。すると、ある車種(A)で、広告掲載に合わせてサイト上のAのコンテンツにアクセスが集中するという現象を多数確認できた。こうして、「Webサイトのアクセスログを継続的に取得すれば、宣伝活動の影響力を定量的に測定することが可能」(渡辺氏)と確信するに至った。

honda.jpg ホンダのトップページ(「月刊アイティセレクト」誌面より)

アクセス数の変化から消費者の心を読み解く

 効果測定の柱となる活動は、アクセス解析を応用したものである。簡単にいえば、2種類の新聞に日を空けて同一の広告を掲載し、より多くのアクセスを集めた方がより大きな影響力を誇ったととらえるわけだ。テレビや雑誌などを利用した際にも、同様の手法によって宣伝効果を推し量る。

 ホンダの手法の中で注目に値するのが、「広告が消費者心理にどのような影響を与えたのかを、アクセス数の変化から読み取ることが可能」(渡辺氏)という点だ。そのことを裏付ける実験結果がある。

 ホンダは以前、テレビ番組内で特別製品の120秒版CMを、一定間隔ごとに計5回放送し、その都度サイトへのアクセス数を計測して消費者の反応を秒単位で検証した。すると、最初のCM放送時はアクセスにわずかな変化しか見られなかったが、2回目、3回目…と放送を重ねるごとにCM一回あたりのアクセス数が右肩上がりになった。120秒版とともに同番組内で放送したレギュラーの15秒版CMでも、通常を大きく上回る反応が見られた。

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