Asianuxが統一された製品ブランドに

ミラクル、Red Flag、Haansoftの3社は、各国で提供しているLinuxディストリビューションの名称を「Asianux」に統一し、9月にリリース予定の「Asianux Server 3」から、アジアにおける共通ブランドとして提供していくことを明らかにした。

» 2007年07月27日 14時51分 公開
[ITmedia]

 ミラクル・リナックス、中国Red Flag Software、および韓国Haansoftの3社は7月27日、各国で提供しているLinuxディストリビューションの名称を「Asianux」に統一し、次期バージョンの「Asianux Server 3」から、アジアにおける共通ブランドとして提供していくことを明らかにした。

時期 出来事
2003年12月 ミラクルとRed Flagの共同Linux開発プロジェクトとしてスタート
2004年8月 Asianux 1.0リリース
2004年10月 Haansoftが参加
2005年8月 Asianux 2.0
Asianuxのこれまでの軌跡

 上記年表を見ても分かるように、これまでもAsianux 1.0やAsianux 2.0といった名称は存在していた。しかし、実際の製品としては、「MIRACLE LINUX V3.0 - Asianux Inside」といったように、それぞれの国ごとの製品名にAsianux Insideとなっていた。今回の発表は、国ごとのディストリビューションの名称をAsianuxで統一するもの。

 この背景には、Asianuxプロジェクトのスタートから3年以上が経過し、Asianux全体の出荷は中国、韓国、日本の市場で7万本を越えたことで、国際的なエンタープライズLinux市場における重要なポジションが確立されたと判断したことに加え、3カ国での協業および開発体制が整ったことが挙げられる。

 新しいAsianuxブランドで最初にリリースされる「Asianux Server 3」は、2007年9月18日に3カ国同時リリースの予定。IA32、X86-64、IA64、IBM p-Series(IA64およびIBM p-Seriesは日本ではリリース予定なし)などのプラットフォームに対応する。Linuxカーネル2.6.18をベースに、障害対応機能の強化、CGL 3.2の実装、日本語文字コード対応の強化、Oracle Databaseへの親和性強化などの機能強化が図られている。

 価格体系にも変化が見られる。ミラクル・リナックスでは、初年度は使用するサーバのCPU数とサポート内容に応じて「ベーシックパック」と「スタンダードパック」の2種類を提供する。さらに、「スタンダード パック」の拡張サポートとして、ソースコードレベルの調査やダンプ解析などの高度な技術サポートを提供する「プラチナサポートOne」(1ショットサポート)と「プラチナサポート」を用意する。

製品の標準構成 価格 詳細
ベーシックパック 3万1500円 使用するサーバのCPUソケット数は2つまで
1サーバで1インストールイメージのみ利用可能
TSN使用権:修正パッケージの提供(1年間)
バージョンアップ製品の無償提供
インストールメディアはダウンロードでの提供(CDメディアは別売り)
スタンダードパック 9万9540円 使用するサーバのCPUソケット数は無制限
1サーバで無制限のインストールイメージが利用可能
TSN使用権:修正パッケージの提供(1年間)
技術問い合わせサポート(1年間)
バージョンアップ製品の無償提供
CDメディア付き
ライセンス体系。仮想化環境の利用が想定されたものとなっている。

 また、サポート面では、技術支援のWebサイトとしてTSN(Technical Support Network)を構築し、Asianuxの修正パッケージを提供していく予定。

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