2.0の本質は人にありエンタープライズ2.0時代の到来(1/2 ページ)

Web2.0を企業内に導入する動きは、昔、企業がイントラネットを取り入れた際の状況とよく似ている。しかし、2つの間には決定的な違いがある。それは何か。

» 2007年08月22日 07時00分 公開
[木田佳克, 藤村能光,ITmedia]

 Web2.0を代表するツールとなったブログ。誰もが情報を気軽に発信するプラットフォームとして、その存在感を示している。現在、ブログ界を牽引するキーパーソンの1人であるシックス・アパートの代表取締役、関信浩氏が考える「企業と2.0」に迫る。

image シックス・アパート代表取締役、関信浩氏

イントラネットとエンタープライズ2.0の相関関係

――エンタープライズ2.0というキーワードがIT業界で取りざたされています。

 エンタープライズ2.0は何かという定義が明確ではないですが、Web2.0の技術や製品、コンセプトを企業内に取り入れる動きは確かに出てきています。今から約10年前に起こった、イントラネットを企業内に導入する動きと似ていますね。クライアントソフトの入れ替えや、社内外のブラウザなどからのインターネット接続が可能になった一連の動きです。  1996年〜1997年ごろにおいて、企業はイントラネットに対して懐疑的だったと言えます。別々のクライアントソフトをその都度立ち上げなければならなかったし、利用できるブラウザも限られていました。そのころ、企業は新しいものを取り入れることに戸惑いを持っていました。しかし、今では新しいプロダクトを導入することが当たり前になっています。このような動きとWeb2.0の企業内への導入は、同じような過程を経ていると言えます。

――過去の動きと違う点はありますか。

 技術やサービスを企業に導入するのに一番必要なのは、コンセプトです。昔、それこそイントラネットが普及していた時代は、社内のシステムを単純に連携すればよかったのですが、今は状況が違います。企業はメインフレームなどのレガシーに加え、クライアント・サーバなど社外のシステムとの連携も考える必要があります。なぜWeb2.0のサービスや技術を取り入れるのかについて、企業は明確な答えを持っていないといけません。それに基づいて、社内の古いものと社外の新しいものを融合していく必要があります。私はそれを「時代をつなぐ」動きと呼んでいます。

――新旧のマッシュアップですね。

 「つなぐ」動きは昔も今も変わらず続いています。つなぐ対象が「社内のもの」から「社内外のもの」に変わったのです。マッシュアップがサービス指向になったことで、社外のアプリケーションをつないで新たなサービスを作成できるようになりました。例えば、セールスフォース・ドットコムは社内外のアプリケーションを連携させてサービスを作っています。これらの動きは、今後さまざまな企業で出てくるでしょう。
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