Evans Dataの調査によれば、欧州や中東、アフリカ地域の開発者の間でMicrosoftのC#言語の利用が拡大しているという。
EMEA(欧州、中東、アフリカ)地域の開発者の間で、MicrosoftのC#言語の利用が拡大している――Evans Dataの最近の調査でこのような状況が明らかになった。
カリフォルニア州サンタクルーズに本社を置くEvans Dataの調査によると、C#を利用している開発者の数がこの1年間で40%増加した。2006年には、少しの時間でもC#を使っている開発者の割合は25.1%だったのに対し、今年はその数字が34.9%に上昇した。また、大半の時間でC#を使用している開発者の割合も9.4%から13.2%へと40%の増加を見せたとしている。
さらに、調査に回答したEMEA地域の開発者の半数以上は、WebサービスのためのプラットフォームとしてMicrosoftの.NETを好んでいる。これは、2006年と比べるとわずかな増加だという。
「Microsoftが、ECMA(以前はEuropean Computer Manufacturers Association:ヨーロッパコンピュータ工業会と呼ばれていた)にC#をいち早く承認させたのは賢明だった。そのことが、欧州での同言語の普及と同社の市場シェアの強化につながった」とEvans Dataのジョン・アンドリュースCEOは述べている。「加えて、.NETも同地域に本格的な進出を果たした。もちろんC#は、.NETの中心となるCLI(Common Language Infrastructure)に最もよく対応している言語だ」。
また、EMEA地域の開発者の65%は、AJAX(Asynchronous JavaScript and XML)を開発プロジェクトで利用しているか、その予定であり、開発者の40%は、ビジネスプロセスとデータをレガシーのホストシステムから新しいアプリケーションに拡張する作業を進めていると答えた。
一方、カリフォルニア州サンタバーバラにあるELC Technologiesの創業者であるジョナサン・シーゲル氏によると、欧州でも開発プラットフォームのRuby on Railsの普及が拡大する見込みだという。同氏は9月にドイツで開催される「RailsConf Berlin」で基調講演を行う。
シーゲル氏によると、ELCは世界最大のRuby on Rails専門の開発チームを抱えているという。欧州が企業向けRubyアプリケーション開発における次の大きな市場になると同氏はみている。「ELCでも数カ月後に欧州本部を設立する予定だ」と同氏は話す。
ELCは、Ruby on Railsを利用して、Sun Microsystems、Cisco、McKinsey、LiveNation、Media Trustなどの企業にエンタープライズ/Web 2.0アプリケーションを配備した広範なノウハウを持っている。シーゲル氏は、Rubyで構築したWeb 2.0サイトとして「NASCAR.com」や「FunnyorDie.com」などを挙げており、これらのサイトには1日当たり何百万件ものアクセスがあるという。現在、欧州の企業各社はこういったレベルのパフォーマンスとアドバンテージを求めている、と同氏は語る。
さらにシーゲル氏によると、重要な業務アプリケーションでのRuby on Railsへの需要拡大は、Railsの開発そのものにも影響を及ぼしているという。
「ELC Technologiesでは、当社が顧客向けに開発・配備したアプリケーションの数々の成功事例を通じて、この状況を目の当たりにしている。Ruby on Railsは、.NETとJavaに代わる環境から、既存の.NETあるいはJavaインフラ上にシームレスに配備される統合的プラットフォームへと移行しつつある。既存の.NET/Javaライブラリとノウハウを活用できることは、商用フレームワークとしてのRuby on Railsの成熟度を示す重要なマイルストーンである」(同氏)
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