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» 2007年09月27日 06時00分 UPDATE

動き始めたWeb2.0の企業活用:ブログじゃダメ!? 情報共有を成功させる新手法 (1/2)

企業が社内情報共有やマーケティングなどへの効果に期待を寄せるEnterprise 2.0。ナレッジ共有を成功させるというそれは一体……。

[富永康信(ロビンソン),アイティセレクト]

ブログは7割の企業で実施?

 集合知/参加のアーキテクチャーなどのコンテンツや、永遠のベータ版/リッチユーザーエクスペリエンスといったシステム提供方法、あるいはマッシュアップ/プラットフォームとしてのウェブなどのシステム構造が、Web2.0の基本的本質を表すキーワードといわれる。これらの技術やコンセプトを情報システムに準用し、企業活動を進化させようとする動きが、「エンタープライズ2.0」と呼ぶトレンドである。

 国内需要の変化や国際的な競争に対応するための新たなテクノロジーとして、Web2.0的手法への関心は高い(下グラフ参照)。事実、ブログやSNS、Wikiを社員に使わせるために導入する企業は増えている。社内ブログは既に約7割の企業で実施しているという調査報告もある。

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情報共有のダイナミズム

 みずほ情報総研コンサルティング部でコンサルタントを務める平古場浩之氏は、エンタープライズ2.0を二つに大別して解釈する。一つは、企業内システムをSOA化し、各業務システム共通の機能の基盤化・サービス化を促進する「開発技術・アーキテクチャーとしての2.0」。もう一つは、企業活動にカスタマー主導のコラボレーションやナレッジマネジメント(KM)の進化形を取り込む「ナレッジ・情報共有の進化形としての2.0」である。

 特に、「ナレッジ・情報共有の進化形としての2.0」に対する期待度は高く、エンタープライズ2.0を提唱した、米ハーバード大学ビジネススクールのアンドリュー・マカフィー准教授の「SLATES(※1)」の概念をお手本にするケースが多い。一方、みずほ情報総研では以前からKMの基礎理論であるSECIモデル(※2)を参考に、[収集→蓄積→検索→体系化→誘導→連結→内面化→表出]といったプロセスサイクルを考案し実践している。ただ、「SLATES」もこのKMモデルに包含される要素だと考えている。中でも、情報の収集(ソーシャルブックマーク)、体系化(ソーシャルタグ、タグクラウド)、誘導(ソーシャルニュース)のプロセスが情報共有に有効だという。

 90年代後半から、KMの取り組みとその相次ぐ失敗、見える化、グループウェア、検索エンジン、KnowWhoなど、社内に眠る知識を共有し活用するべく、企業はさまざまなマネジメント手法やツールを取り入れるなどして試行錯誤を繰り返してきた。「エンタープライズ2.0の登場も、KMや情報共有のダイナミズムの一つ」と、平古場氏は語る。

※1 業務上必要な情報を見つけ出すSearch、検索結果から必要な情報へのLink、利用者の自由な情報の作成・発信のAuthoring、情報や知識を体系的に整理・分類するTag、タグクラウドで新たな気づきを得るExtension、情報リソースの更新やアラート取得のためのSignalの5項目を指す。5語それぞれの頭文字を合わせた造語。
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※2 「共同化:Socialization(共感)」(暗黙知を暗黙知へ)→「表出化:Externalization(概念)」(暗黙知を形式知へ)→「連結化:Combination(分析)」(形式知を形式知へ)→「内面化:Internalization(実践)」(形式知を暗黙知へ)という知識創造スパイラルを繰り返すプロセスを理論化したもの。一橋大学大学院教授の野中郁次郎氏が1995年に発表した。
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