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» 2007年10月05日 22時27分 UPDATE

Skype、開発支援パートナーの新制度に日独2社を認定

Skype本社の幹部が多数が来日し、Skypeの最新動向と新パートナー制度「Skype Approved Integrator」を紹介した。

[國谷武史,ITmedia]

 携帯電話向けミドルウェア開発のユビオンは10月5日、米eBay傘下のSkype Technologiesの幹部を招き、開発者向けイベント「Skype Developer Conference」を東京都内で開催した。Skypeは、新しい開発パートナー制度「Skype Approved Integrator(SAI)」を発表。ユビオンと独Pamela-Systemsを認定したことを明らかにした。

 SAI制度は、SAI認定企業とSkypeの技術部門が共同でSkypeの技術開発を行うとともに、SAI認定企業がSkype製品の開発を希望する企業とSkypeのコーディネート、またSkype技術に関するコンサルティングサービスを提供する。SAI認定企業が各国でのSkype製品開発で中心的な役割を果たすという。

 Skypeのeコマース(電子商取引)事業担当ヴァイスプレジデントのステン・タムキヴィ氏は、「設立4年で約2億2000万ユーザーが利用するようになったが、われわれは500人規模の小さな会社。社員1当たりでも40万ユーザーを抱えるだけに十分なサービス開発に取り組むのが難しく、パートナー戦略が非常に重要となる」と話し、SAI制度導入の背景を説明した。

 また、3人体制で運営する日本事務所の岩田真一ゼネラルマネジャーは「日本だけでも1日に2〜3社から提携の話があるものの、ほとんど対応できてない。SAIにユビオンが認定され、今後はSkype製品の発展が期待される」と述べた。

 SAI認定企業は、Skypeに技術に精通していることを条件に、製品開発と第三者企業にコンサルティングをできる技術力、また販売チャンネルを有することが求められるという。ユビオンは、SkypeのAPIをJavaクラスライブラリ化する開発プロジェクトで中心的な役割を果たした実績が評価され、SAIの認定を受けた。

 ユビオンの原田廣之進代表取締役は、「日本でも将来、P2Pベースのコンピューティング環境が普及すると考え、2年前からSkypeの開発に取り組んできた。Skypeを利用する企業はまだまだ少ないが、日本の企業が使えるSkype環境の実現に注力したい」と抱負を語った。

事業基盤にSkypeを

 コンシューマー利用が多いSkypeだが、「実際にはビジネスに利用するユーザーが3割を占める」(タムキヴィ氏)という。そこで同社は、Skypeがeコマース基盤としても利用されることを目的に、今年3月にリリースしたSkype 3.1に「SkypeFind」と「Skype Prime」を搭載した(関連記事参照)。

 この2つの機能を連携させることで、特定カテゴリーについて詳しい情報を持つユーザーは、ほかのユーザーに対して告知が行え、逆に情報を求めるユーザーは情報提供者にコンタクトできる。情報提供時に1回当たりもしくは通話時間など単位で課金できる仕組みが実現する。

 タムキヴィ氏によれば、告知の場となるSkypeFindでは情報がディレクトリに分類され、現在までに200カ国、約30万件の登録があるという。また、Skype Primeでは約3万5000ユーザーが有償の情報提供サービスを行っているという。さらに、8月にリリースしたSkype 3.5には、ユーザー間でビデオメッセージを共有する「Video in Mood Message」を搭載している。

 タムキヴィ氏は、2008年第1四半期にリリース予定のSkype 4.0では、これらの新機能や機能別に分かれているディレクトリを1つに統合する考えを明らかにした。「Skypeの機能が複雑になり、使いづらいという意見もある。ばらばらになっているウィンドウを1つにしたい。また、動画共有は新たなムーブメントだけにSkypeも積極的に取り込んでいく。将来はコンテンツプロバイダーが作品を配信できるような仕組みも考えたい」

 こうした統合化された環境ではユーザーの検索性が高まり、コミュニケーションが活性化されるとタムキヴィ氏は説明する。同時にSkypeInやSkypeOutといった各種有償サービスの利用も増大し、Skypeが巨大なeコマース基盤として広がっていくとの見方を示した。

APIの積極利用を

 Skypeの開発者プログラム担当ディレクターのポール・アメリー氏は、Skypeにおけるコミュニケーションの活性化に開発者の存在がますます重要になると話す。

 Skypeでは、Extensionと呼ばれるサードパティー製のアプリケーションなどにSkypeの連携機能を持たせるツールが公開されている。Extensionは、コンシューマー向けからエンタープライズ向けまで130種類が公開されており、その内容も音声サービスからゲーム、会議システムにいたるまで実に多彩だ。

 Extensionの提供サイトに登録すると、メールマガジンや開発したExtensionのSkype認定の審査、SDK、開発したExtensionの評価の投稿といったサービスが利用できる。「Skypeをビジネスアプリケーションに組み込むためのExtensionも豊富に用意されている。これまでに、のべ3200万回のダウンロードがあり、Skypeの利用が広がる原動力になっている」

 一方で、日本を中心にアジア地域の言語環境に対応したExtensionは少ないのが課題だといい、「Skypeのローカライズ化にアジアの皆さんの協力をお願いしたい」と、アメリー氏は呼びかけた。

 SkypeではAPIの公開にも積極的に進める。Skype英国法人のレスター・マーデン氏は、APIの利用法について紹介した。

 利用できるAPIには、主にSkypeIn、SkypeOutとの連携に対応させる「Call API」、P2Pコミュニケーションを利用するための「Ap2Ap API」、着信音を設定する「DMTF API」、着信転送を設定する「Call Forwarding API」などが用意されている。

 こうしたAPIを利用してさまざまなツールを開発でき、開発したツールの投稿、評価、配布などが行える。開発したツールがより良く利用されるための方法として、マーデン氏は「公開をあせらない、適切なカテゴリーでなるべく露出を高め、できるだけ評価を得るようにすること」と話す。

 今後のSkypeの展開は、2007年内にGoogleやTwitterなどとマッシュアップサービスの実現、また2008年からはSkypeのWebサービス化が検討されている。

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