認められたい、という欲求は働く人の「野性」である人心掌握の鉄則(1/2 ページ)

われわれは何か問題が起こってから、人の持っている欲求について考え、分析などを試し対処法を見出そうとする。しかし本当は問題が起こる前からこれらの欲求について意識すべきなのだ。

» 2007年10月23日 09時42分 公開
[アイティセレクト編集部]

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働く人は必ず野性を抱いている

 2005年、野村総合研究所が上場企業の20代から30代の正社員を対象に「仕事へのモチベーションに関する調査」を行った。1000サンプルにも及ぶデータの分析結果は驚くべきものだった。なんと75%もの若者が現在の仕事に無気力を感じているという。

「仕事へのモチベーションに関する調査」野村総合研究所

 この調査のリーダーである野村総合研究所、コンサルティング事業本部の事業企画室室長、齋藤義明氏は次のように語る。

 「20代と30代とでは、モチベーションの持ち方、レベルはそれなりに違うだろうと聞かれることはあるのですが、実はそれほど違いはなかったですね。この調査ではサンプリングはしていないですが、40代の人を対象にしてもそれほど差異はないと思います」

 その結果について、明確な答えがあるわけではないが、齋藤氏は背景にあるものを次のように説明してくれた。

 「よく言われることですが、働く人には5つの欲求があるとされています。われわれのなりの整理をすると『自己承認』『自己成長』『意味欲求』『創造性発揮』『自己実現』となります。意味欲求というのは、自分が働いていることの意味、世の中に対してどういう貢献をしているか、ということです、自己実現欲求というのは、仕事の中での自己実現だけではなく、プライベートでも自己実現したいということ。ワークライフバランスですね。これらの欲求は働く人の『野性』だと考えるべきだと私は思います」

 働く人の野性、とはどういうことだろう。

 齋藤氏は続ける。「自分が生存するために必要不可欠な欲求ということ、と考えてもいいでしょう。もともと誰にでもあるもので、これらの5つの欲求の中で最初から欠落しているものがあるということは考えられないわけです。ですから、これら5つの欲求のバランスが損なわれるとモチベーションが低下してくるのではないかと思うのです」

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