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» 2007年11月22日 23時10分 UPDATE

TV番組がネット配信される日はまだ遠い!?――ORF 2007始まる

日本は、通信・放送の融合に関してイギリスや韓国に遅れをとっている。先行事例に学び、2011年のデジタル放送開始に向けて日本がとるべき道を模索する。

[伏見学,ITmedia]

 慶應義塾大学SFC研究所主催の研究発表イベント「慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2007」が都内・六本木アカデミーヒルズ40で11月22、23日の2日間開催される。今年のテーマは「toward eXtremes――未来創造塾の挑戦」。これまでの枠組みを超えた新しい発想が集結した。

 22日に行われたセッション「通信と放送の融合をデザインする」では、今後の通信・放送のあり方についてさまざまな角度から議論がなされた。

 同セッションの主旨は、通信と放送の融合について総務省が進めている法改正に対し、SFCと経団連21世紀政策研究所の共同プロジェクトが提言するというもの。先行事例としてイギリスと韓国の動向が紹介された。

 同プロジェクトは、誰もが自由に情報発信できるというユーザー視点に立った法整備が根本にある。日本経団連の産業第二本部情報グループ長である上田正尚氏は「透明性のある法制度でなくてはならない」と説いた。総務省が今年6月に発表した中間報告はコンテンツ規制などあいまいな部分が多いという。

総務省は現行の「縦割り」から「横割り・レイヤ方式」に再整備する案を提出 総務省は現行の「縦割り」から「横割り・レイヤ方式」に再整備する案を提出

 同様に法体系の見直しについて、慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合機構教授の中村伊知哉氏は、「ユーザーや事業者が納得する法案ができるのか、通信・放送以外の法律との兼ね合いはどうなるのか、2010年までの短時間で改正できるのか」という3点を指摘した。

 通信と放送の融合について、日本の先を進むイギリスや韓国はどうか。

 イギリスでは、テレビや無線通信など5つの規制機関が統合したOfcom(英国情報通信庁)が通信と放送を規制・監督をする。テレビ放送などをネット配信することは既に許可されており、例えば、BBCが番組をYoutubeで配信するサービスなどがある。しかし、放送コンテンツのネット配信に関する規制は極めて複雑で、通信および放送両方の法律が適用される。

 韓国では、放送をリアルタイムでネット視聴できる法案が間もなく国会を通過する。しかし、日本と同様に放送と通信の規制機関が分かれているため、仮に再編ということになればその権益争いは明白である。ソウル大学の国際関係学部教授であるKim Sangbae氏は「新しい組織を作るのは法律を作るより困難だ」と語った。また、通信と放送の融合ということになれば、通信事業者のKTやHanaroが優位になるため、放送事業者であるテレビ局やケーブルテレビ局の反発は必至だという。

中村氏はかつて郵政省で規制緩和、省庁再編に従事した 中村氏はかつて郵政省で規制緩和、省庁再編に従事した

 日本の現状について、慶應義塾大学の総合政策学部教授である國領二郎氏は「誰が何をどうやって規制するかという議論がまだまだ」と述べた。省庁再編について、中村氏はかつての実体験から「そう簡単なものではない」としたうえで、「独立機関を作るのであればどういう組織にするか徹底して考えるのが重要」とした。

 2008年2月26日の国際シンポジウムでプロジェクトの最終報告がなされる。

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