Webサービスの基礎知識Beginner's Guide(1/7 ページ)

Webサービスは、コンピュータ同士を直接結んでリモートリソースにアクセスする方法の1つである。本稿では、SOAPやWS-*規格群など、Webサービスの基礎知識をまとめた。

» 2007年12月15日 03時47分 公開
[Shawn-Hermans,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 物理的に離れたコンピュータのプログラム間で情報を交換できることは、今日の企業における標準的な要件の1つだ。そしてリモートリソースへの最も一般的なアクセス方法が、HTTPによるサーバからクライアントへのHTMLファイルの転送、要するにWebサイトである。こうした情報伝達のやり方が功を奏している理由は、シンプルで身近に利用できるテクノロジーと標準規格が使われている点にある。しかし、Webサイトには根本的な限界がある。Webページの情報を理解できるのは人間だけで、コンピュータにはそれができないことだ。

 Webサービスは、コンピュータ同士を直接結んでリモートリソースにアクセスする方法の1つである。本稿では、SOAPのような基本的なWebサービス標準規格と、WS-*規格群として知られる高度な拡張機能を紹介する。

 Webサービスがほかの手法と違うのは、シンプルなXMLメッセージを使って情報を送る、転送手段としてHTTPが使える、双方向(同期)通信が不要といった点だ。一般的に使える簡単なテクノロジーと標準規格を利用していることから、Webサービスはコンピュータ間で情報をやり取りする手段としてすぐに定着した。

 W3C(World Wide Web Consortium)の「Webサービスアーキテクチャ」(Web Services Architecture)には、Webサービスの厳密な定義が次のように記されている。

...コンピュータ同士によるネットワーク経由の相互運用可能なインタラクションをサポートするためのソフトウェアシステム。機械的に処理できるフォーマット(具体的にはWSDL)で記述されたインタフェースを備える。ほかのシステムはWebサービスとのインタラクションを、そのサービス記述に従った方法で、SOAPメッセージを使用して行う。こうしたメッセージは通常、XMLシリアル化やそのほかのWeb関連規格とともにHTTPを使用することで伝えられる。

 この定義には、Webサービスのコアテクノロジーが明確に記されている。SOAPはコンピュータ間でメッセージの受け渡しを行う標準化された方法、WSDL(Web Services Description Language)はWebサービスのインタフェースを記述する言語、そしてXML(Extensible Markup Language)はこれら両テクノロジーの基礎になるものだ。すべてのWebサービス標準規格は、これらの基本要素を何らかの形で利用して構築されている。SOAPとWSDLのほかに、UDDI(Universal Description Discovery and Integration)もコアとなるWebサービス標準規格の1つと見なされることが多い。これは、Webサービスに関する情報を保持するレジストリである。

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