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» 2007年12月21日 07時00分 UPDATE

女性システム管理者の憂鬱:ボーナスの行方を決めた1通のエラーメール (1/4)

PCはただの「仕事道具」――。本来PCが要らないはずのわたしが自費購入を決意したのは、ある出来事がきっかけだった。

[高橋美樹,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「運用管理の過去・現在・未来」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。



 世間一般には、システム管理者になる人はPCが好き、といった思い込みが浸透しているようだ。確かにPCへの興味が高じてシステム管理者になった人も少なくないだろうが、わたしの周囲は、たまたま入った会社で自然にシステムに詳しくなってしまい、どうせならそのスキルが評価される会社に転職しようと、自然の流れでシステム管理者になった者も多かった。

 何を隠そう、このわたしもそのうちの1人だった。そんな人間にとって、PCはただの仕事道具である。一般的に、自宅には、極力仕事を思い出させるようなものを持ち込みたくないと考えるのは人情だろう。

 そういうわけで、わたしも親しい同僚の何人かも自宅にPCがなかった。わたしたちは、友達とのメールやホームページの閲覧なども、仕事の空き時間にさくっと済ませてしまえば、PCを家に置く必要などどこにもないように感じていた。おそらくこのまま一生PCを自費で買うこともないだろう、そう思っていたわたしが、ボーナスを目前にしたある日、1通のエラーメールを受信したことによって、その考えを180度改めることになったのだった。

数万の黒ゴマがわたしを監視する

 当時、わたしは数万人のユーザーを抱えるメールの運用担当として本社に配属になったばかりだった。拠点のシステム管理を数年経験してからの異動ではあったが、メールサーバは本社側で一括管理していたため、その運用はまったく未知の分野だ。また、メールサーバはクライアントとOSも異なり、それまでWindowsマシンの管理を主体としてきたわたしは、ゼロから勉強し直す必要があった。

 まずはできるところからということで、ユーザーからの申請事項を処理したり、サーバにインストールされたウイルス駆除ソフトのバージョンアップ作業を行ったりと、比較的簡単な作業を担当するようになった。

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 そうはいっても、このシステムの向こうには、数万人のユーザーがいる。拠点では、多くてもせいぜい200名程度のユーザー管理しか経験のないわたしは、その対象となるユーザーの膨大さにプレッシャーがかかってしまい、深夜のウイルス駆除ソフトのパッチ当て作業では、1つのコマンドを打つごとに手にびっしょり汗をかくほどの緊張ぶりだった。

 1人ひとりのユーザーの顔が見える拠点にいたわたしは、数万人のユーザーを意識するたびに黒ゴマのような人間の塊をイメージして、その人たちにわたしの一挙手一投足が監視されているように感じていた。

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