85%のコスト削減が可能に?日本オラクルが提唱するSOAのフレームワーク

日本オラクルは12月20日、SOAフレームワーク「アプリケーション統合アーキテクチャ」(AIA)の取り組みについて発表した。

» 2007年12月21日 00時00分 公開
[横田貴司,ITmedia]

 日本オラクルは12月20日、プレス・アナリスト向けに「アプリケーション統合アーキテクチャ」(AIA)の取り組みについて発表した。

説明会に登壇した日本オラクル執行役員製品戦略統括本部長の三澤智光氏

 これまで、SOAのメリットは幾度となく報じられている。しかし、実際SOA導入に取り組んだ企業の中には、必ずしも成功しているとはいえない企業も少なくないという。

 そのような企業に向けて日本オラクルでは、一般的にSOAに必要な手順を以下の9つのフェーズに分類して考えている。

  1. 業務モデルの設計
  2. 業務フローの決定
  3. 業務機能の洗い出し
  4. 共通・標準機能の選定
  5. サービス粒度の決定
  6. 共通データモデルの設計
  7. 業務フローへの落とし込み
  8. システムとしての実装
  9. ガバナンスを効かせた上での全体の管理

 しかし、これらのプロセスをすべて行うのは相当な負担となる。特に「サービス粒度の決定」「共通データモデルの設計」「ガバナンスを効かせた上での全体の管理」に時間とコストを費やしながらもSOA導入を断念してしまうケースが多いという。

 日本オラクルではこのように、SOAのメリットが認識されているにもかかわらず浸透しきらない理由を、SOA成功に必要な4つの要素「ツール」「アプリケーション」「フレームワーク」「導入メソドロジー」が揃っていないからと分析する。特にフレームワークはこれまで市場に存在しておらず、今回発表したAIAがその役割を担うとしている。

 具体的な製品としては、AIAに基づいて作成された事前定義済みのビジネスプロセス群として「プロセス統合パック」が提供される。これは、アプリケーション間連携のデータ定義、複数システム間連携のためのBPELプロセス定義、データ・サービスの定義を格納するサービスリポジトリなどで構成される。

 日本オラクルの検証では、プロセス統合パックのライセンスを利用することで、工数では96%、総コストでは85%の削減が可能だという。

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