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» 2008年01月09日 07時00分 UPDATE

BIがあなたにもたらすベネフィット (1/2)

BIとは何か。エンタープライズの分野で今また脚光を浴びているBIについて、本特集ではその基本を解説し、具体的な活用についても説明を加えていくことにしたい。

[猪瀬森主(マイクロソフト),ITmedia]

BIというよく分からないキーワード

 最近、巷をにぎわせているキーワードの一つに「Business Intelligence(BI)」というものがある。特にここ1年で大手によるBIベンダーの買収が相次いで行われた影響もあるだろうが、IT関連のサイトやニュースレターにおいても、かなりの頻度で見かけるキーワードになっていることは間違いない。

 読者の中には「BIという言葉は知っているものの、専門用語が多すぎて、はっきりしたイメージをつかめない」という方も多いのではないだろうか。そもそもBIとは何なのか? どのようなベネフィットをユーザー、そして企業にもたらすのだろうか。

 本連載ではこのような読者を対象に、BIとは具体的にどのようなものなのかということを、ユーザーおよび企業のベネフィットを中心に説明していきたいと思う。

Business Intelligenceとは?

 BIの定義はさまざまになされているが、一般的に「業務システムなどから蓄積される企業内の膨大なデータを、企業の戦略的な意思決定に活用すること」を指す。業務システムなどに蓄積される各種の情報を一元化し、さまざまな分析環境・方法を提供することで、企業の次の意思決定を助けることがBIの役割である。

 意思決定の内容とその求められるスピードは、役員、マネジャー、一般社員などそれぞれのポジションによって異なるが、これらを正確かつスピーディに行うことが企業の成功のカギであることに異論はないだろう。例えば役員ならば、事業ごとの収支状況を判断し、今後のリソースの投資配分を考える。営業担当なら、月日の売上を集計し、どこのチャネルの売上が高いのか、前年対比はどのような状況かなどを分析し、次の営業活動に生かす。製造業における生産ラインのマネジャーならば、いつどこで不良品が発生したのかを突き止め、適切な対策を講じる。これらを迅速かつ正確に実現するためのソリューションがBIである。

BIで何が変わるのか?

 データを分析して次の意思決定に利用することは、企業として当たり前のことではある。程度の差はあれ、どの企業でも何らかの分析環境はあることだろう。では、積極的にBIのシステムを導入することで、従来の環境と比較してどのようなベネフィットを享受できるのであろうか? 何が変わるのだろうか。

1. 集計業務などの日常業務の簡素化

 売上を集計し、レポートするというごく当たり前の日常業務。このような作業はExcelを利用して毎日手作業で集計、グラフを作成しレポート化するということを延々と行っている方もいるのではないだろうか。このような作業は言うまでもなく非常に手間と時間が掛かる。これらをすべて自動化することがBIのソリューションにおけるレポーティング機能である。

 ブラウザを開けば毎日リアルタイムで集計された売上が表やグラフ形式で表示される。もちろん、これらの定型レポートをExcelなどに出力して自由に加工することも可能だ。こうした自動化によって、今までの集計作業の時間を新しい施策やそのほかの活動に費やすことができるのだ(あなたの残業時間の軽減にももちろん役立つ)。

2. 迅速かつ正確なデータ分析環境の提供

 現場の担当者に最も利用されている分析ツールである「Excel」。自分の次のアクションを決定するために、多かれ少なかれ誰もがExcelを使った分析作業をやっていることだろう。定型的なチャネル別/月別/製品別などの売上集計のみならず、自社の顧客の傾向分析などさまざまな用途に利用されている。しかし、実際の使いこなしについては、次のような多くの悩みがあるに違いない。

  • そもそも、どのデータを分析に利用すればよいか分からない
  • データを統合し、分析すること自体、非常に時間がかかる
  • 分析のための専門的な知識を持ち合わせない

 BIのソリューションはこのような悩みも解決する。社内のあらゆるデータ(基幹システムのアウトプットからアプリケーションのCSVまで)をデータウェアハウスに統合し、それらの中から必要な情報をExcel上に展開して、問題の発見や解決のための分析作業が容易かつスピーディに実現できる。

 またデータマイニングなど、従来では高度な専門知識が必要だった分析技術をExcel上で簡単に実施できるツールも存在する。普段から行っていたExcelによる分析作業を、迅速かつ正確に実現できる環境を提供するだけでなく、従来は特定の人間しかできなかった分析作業も実施することができるのだ。

3. 業績管理やプロセスのリアルタイムな監視

 企業が目標達成のプロセスにおいて、ボトルネックの部分をリアルタイムに把握することは重要である。例えば売上予算の達成状況を常にモニタリングし、進捗が思わしくないことが分かればその原因を速やかに突き止めなければならない。これは企業、部門、従業員個人まで、どのレイヤーでも重要である。だが、実際には時間をかけて集計して初めて達成状況が思わしくないことが分かるなど、原因を把握するまでに時間がかかるという問題がある。

 BIのモニタリング機能は、何か問題があれば常にアラートをあげて通知をするので、当事者はその原因を瞬時に把握することができるようになる。ボトルネックの把握とその原因の追及に莫大な時間をかけることなく、迅速に対処することが可能になるのもBIの大きなメリットだ。

 大きく分けて以上のような3点が、BIのベネフィットであると言える。

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