ついに手にしたOLPCのXOラップトップSuper Review(1/4 ページ)

One Laptop Per ChildプロジェクトのXOラップトップは、バグや問題、期待外れな点もあるのだが、その思想も含めて素晴らしいものであるといってもよいだろう。

» 2008年01月09日 11時30分 公開
[Joe-Barr,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 先週、One Laptop Per Child(OLPC)プロジェクトの“Give One Get One”(G1G1)プロモーションの一環として、XOラップトップが届いた。外観も機能も、これまで使ってきたどのノートPCとも違っている。まず、サイズが小さい。重さはわずか 1.4キロ、幅は約23センチ、閉じた状態での厚みは2.5センチほどだ。だが、通常のノートPCとの相違はサイズだけではない。奇妙なマークのキー、見慣れないボタン、外側に突き出すWi-Fiアンテナ、独特のユーザーインタフェース、そしてそもそもの存在理由など、多くの点に違いがある。わたしも含めて大半の人はXOを普通のノートPCと比べようとするだろうが、それは正当な比較とはいえない。XOは大部分のノートPCに求められることをするために作られたものではなく、ほかのどんなノートPCにもできないことができる。もちろん機能的な重複はあるが、同の一条件では比較できない部分がほとんどだ。

「これで世界は変わる」

 XOが届いたその日、梱包をほどくわたしの脳裏に浮かんだのがこの言葉だった。同時に、Red Hat Summit 2006の講演でニコラス・ネグロポンテ氏が発展途上世界のすべての子どもたちにノートPCを1台ずつ与えるとのビジョンを語ったときのことを思い出した。あのとき、ネグロポンテ氏ならうまくやるだろうという予感がした。そして、彼は確かにことを成し遂げた。だからこそ、今ここにXOラップトップがあるのだ。後手に廻ったMicrosoftおよびIntelがOLPCプロジェクトの取り組んでいる問題に気づき、競合製品によってOLPCプロジェクトをとん挫させようと全力を尽くしたにもかかわらずである。

 箱に収められた唯一のマニュアルは光沢のある折り畳み式のカードになっていて、XOラップトップの開け方の説明とともに外部ポート(マイク、ヘッドフォン、USB、電源)とSDカードスロットの位置が記されている。また、受領者をOLPCコミュニティーに迎え入れ、プロジェクトへの寄付に対する感謝の意を表すNicholas ネグロポンテ氏からのメッセージが添えられていた。このメッセージには、もっと充実したマニュアルを参照するためのリンクと、さらなるヘルプが必要な場合の電話番号が記されている。

 残りの梱包物といえばXO本体、バッテリー、DCコンバータくらいだった。カードの指示に従ってバッテリーを取りつけてから、本体を開けにかかる。アンテナを立てるというのが最初の手順で、これには思いのほか手間取った。それが済めば、ラップトップのふたを開けるところは造作もなく、画面とキーボードが現われた。ちなみに、画面は横に回転させたり上下方向に傾けたりできる。また、eBookモードといって、画面を外側に向けて折り畳むこともできる。画面は、わたしの知るほかのどんなノートPCとも違って直射日光の下でも表示が見える。また、表示は90度ずつ回転させられるので、どの向きでXOを持っても画面表示の上下左右を適切に設定できる。

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