Eclipseとの統合を果たしたZend StudioReview(1/4 ページ)

先日ZendがリリースしたZend Studioの新版は、Eclipseをベースプラットフォームとし、以前よりかなりの完成度に達していたIDEにさらなる改善を施してくれたといっていいだろう。

» 2008年01月28日 08時25分 公開
[Peter-J.-Manis,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 本日(1月22日)Zendから、昨年レビューを掲載したZend Studioからよりいっそうの機能向上を果たしたZend Studio for Eclipseがリリースされた。

 かねてより多機能だったZend Studioだが、今回のリリースではさらなる高機能化が施されている。その中でも特に前面に押し出されているのが、ベースプラットフォームとしてのEclipseの採用である。Eclipseは基本的にはJava IDEだが、むしろ一種の開発用プラットフォームないしはフレームワークとみる方がその実態に則しているかもしれない。現在200万人以上の開発者が利用しているEclipse本体はJavaをメインに記述されてはいるが、プラグインおよびモジュールの追加による機能拡張が可能であり、ほかの言語で使われる構文の強調表示やコード補完に対応しているほか、SubversionやCVS機能を組み込むこともできるからだ。

図1

 そして新たなZend StudioではこうしたEclipseを利用可能となったことで、例えばPHPページ開発にはZend Studioを使用しつつ、JavaScriptやAJAXを扱う際にはAptanaのパースペクティブに切り替え、Ruby on RailsプロジェクトについてはRadRailsに切り替えるという操作が速やかに行えるようになったのである。

 わたしが試してみたのは後期のβ版であったが、今回の新規リリースにおいてZendが行ったのは、従来から定評のあるZend StudioのテクノロジーにEclipseのPHP Development Tools(PDT)プロジェクトを統合することだった。PDTは豊富な機能セットを備えており、今後も広範な使用がされるものと予想されているが、Zend Studioとの統合はこうしたPDTをよりいっそう拡張するための機能追加を果たしたと見ていいだろう。

図2

 新たなZend Studioにて最大限に活用されているのが、Eclipseにおけるパースペクティブないしビューと呼ばれる機能である。例えば図1の右上にある、PHP Profile、PHP Debug、PHPはアプリケーションのパースペクティブを切り替えるためのボタン群であり、これらを選択することで各種の異なる情報を表示させることができる。

 同じく図2はエディタウインドウだが、この画面左側にはプロジェクトのファイルナビゲータおよびアウトラインが表示されている。この画面下部にあるのは、 Remote Systemsタブとタスクリストおよび、コードに対するリアルタイム型のエラー/ワーニングメッセージである。このうちRemote Systemsタブ(図3)では、FTP、SSH、SFTP接続を介したファイルアクセスだけでなく、ローカルファイルのブラウジングやローカルシステムでのシェル起動も行うことができる。

図3 図3 パースペクティブのRemote Systemsタブ

 先の図1に戻ると、これはプロファイル情報のパースペクティブ表示であり、実行時間の内訳や実行フローといった各種の情報を確認できるようになっている。そのほかの有用なパースペクティブとしては、Database DevelopmentおよびSVN/CVS Repository Exploringが存在し、これらの画面からは利用したいリソースにアクセスできる。

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