MicrosoftとYahoo!が結合すれば、開発とサービスビジネスにも拍車

今回の買収提案ではオンライン広告ビジネスばかりが話題になっているが、MicrosoftがYahoo!から手に入れる開発およびサービス関連のビジネスの方が重要な意味を持っているかもしれない。

» 2008年02月04日 16時14分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftによる総額446億ドルのYahoo!買収提案をめぐっては、オンライン広告ビジネスが話題の中心になっているが、同社はこの買収で開発者のサポートなどのビジネス資産も手に入れることになる。将来的には、広告事業よりもこういった資産の方が大きな価値をもたらす可能性もある。

 開発者のサポートに関しては、Microsoftの右に出る企業はないといわれている。しかしこの買収が成立すれば、Microsoftはオンラインサービスの開発に精通した強力な開発チームを受け継ぐことになる。加えて、オンラインサービス分野では未熟な製品しか提供していない同社にとって歓迎すべきオープンなWebサービスAPIも手に入るのだ。

 Yahoo!は、有力な開発者ネットワーク「Yahoo Developer Network」を保有している。このネットワークでは、アプリケーション開発者が新しいアプリケーションを作成するためのコンテンツやサービスにアクセスする手段として多数のWebサービスがホストされている。「Yahoo Web Services」は、Yahoo!の製品、サービス、データ、コンテンツをアプリケーションのリソースとして利用したいと考える開発者、企業、研究者向けのサービスである。そのAPIはオープンで、プログラムは無償だ。

 またYahoo!は、Java、JavaScript、Flash, ColdFusion、.NET、PHP、Python、Rubyにフォーカスした開発センターも持っている。開発者関連プログラムに関するEvans Dataの昨年の調査では、Yahoo!はサービス製品でかなり高い評価を得た。

 Yahoo Developer Networkは、マッシュアップの作成、Yahoo! Widgetsの利用および開発などに関するアドバイスを開発者に提供している。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、Yahoo!の取締役会に送った書簡の中で、「ビデオ、モバイルサービス、オンライン商取引、ソーシャルメディア、ソーシャルプラットフォームなどの新興分野のイノベーションを推進する技術リソースにフォーカスする両社の能力は、結合することによって大幅に強化される」と述べている。

 また、Microsoftのチーフソフトウェアアーキテクトであるレイ・オジー氏は、アナリストとの電話会見で、「われわれの生活、ビジネスそして社会は、Webによって徐々に変貌しており、Yahoo!は魅力的で大規模なサービスとインフラを構築することによって先駆的役割を果たした」と語った。

 Yahoo!は1月30日に、「OpenID」サービスの公開β版を発表したばかり。

 「Yahoo! OpenID Providerサービスの公開βリリースにより、Yahoo!アカウントを持っている2億4800万人のユーザーは、OpenID規格の最新版であるOpenID 2.0をサポートする任意のWebサイトにログインできるようになる」とYahoo!は説明している。

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