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» 2008年02月28日 17時44分 UPDATE

Hyper-Vの延期でWindows Server 2008の普及が遅れる可能性も

Microsoftのハイパーバイザー製品の最終版は、今年中にアドオンとして提供される予定だ。

[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 アナリストらによると、「Hyper-V」と呼ばれるハイパーバイザー製品の最終版が向こう6カ月中に提供されるまでの間、企業ユーザーは「Windows Server 2008」の導入を見合わせる可能性が高いという。

 Microsoftは、2月27日にロサンゼルスで開催された「Heroes happen {here}」と銘打たれたイベントにおいて、自社のサーバソフトウェアの最新アップグレード版をリリースした。しかしHyper-Vのリリースは延期となり、当初予定されていたWindows Server 2008の機能の一部も削除された。

 Windows Server 2008にはHyper-Vのβ版が含まれているが、同技術の最終版は今年中にアドオンという形で提供される予定だ。しかしこの決定により、企業での新サーバの普及が遅れることになりそうだ。

 Forrester Researchのアナリスト、ジェームズ・スターテン氏はeWEEKの取材で、「Hyper-Vの最終版がリリースされるまで、企業でのWindows Server 2008の本格的な導入は進まないと予想される」と述べている。

 しかしスターテン氏によると、Microsoftでは既にHyper-Vの初期プレビュー版を多数の企業に提供しているという。企業ユーザーがこの技術をいち早く試し、自社のニーズに合うかどうか判断できるようにするためだ。「これは同社がLinux市場から学んだテクニックだ」と同氏は話す。

 「この新サーバ製品は、開発に5年という長い期間を要したことで、LinuxがMicrosoftの顧客ベースに進出するチャンスを与えた」とスターテン氏は指摘する。「とはいえ、そのせいでWindows Server 2008の普及の機会が大きく損なわれることはないだろう」と同氏は付け加える。

 今回のリリースは、Microsoftにとって1つのマイルストーンとなるものだ。このソフトウェアには、多数の重要な新技術やサービスが含まれているからだ。その多くは、数カ月前から初期候補版という形で提供されてきた。

 Enderle Groupの主席アナリスト、ロブ・エンダール氏は、サーバのβコードを企業ユーザーに公開したことが、同ソフトウェアへの期待を盛り上げるのに役立ったと考えている。

 「企業のIT部門は、同サーバに関連したソリューションをしきりに導入したがっているようだ。企業ユーザーというのはあまり興奮しないものだが、今回のように盛り上がっているところを見れば、彼らがこの製品を支持しているのは間違いなさそうだ」とエンダール氏は話す。

 Forresterのスターテン氏は、LinuxやUNIXのライバルに対してWindows Server 2008が持っている最大のアドバンテージが使いやすさであり、「この面ではLinuxとUNIXの世界はまだ遅れている」としながらも、同サーバが企業のミッションクリティカルなアプリケーションを運用する能力を備えているかどうかは、まだ何ともいえないとしている。

 「現時点では、IBMやHP、Sunなどの企業に、UNIXやメインフレーム製品への脅威と感じさせるようなものはWindows Server 2008には見当たらない。とはいっても、MicrosoftとIntelは、可用性、診断機能、信頼性といった重要な機能を追加することによって伝統的なUNIX市場を徐々に浸食してきた」とスターテン氏は指摘する。

 スターテン氏によると、Windows Server 2008はこういった分野でも大きく前進し、統合型クラスタリング、優れた診断機能、強固なOS基盤といった改善が施されたことで、信頼性の向上を期待できるという。「Windowsのコアで脆弱部分が減少する一方で、Microsoft Operations Managerによって管理性も向上した」と同氏は話す。

 しかしMicrosoftは、OSに依存しない高レベルのアプリケーションプラットフォーム上で開発されている新タイプのアプリケーションとサービスを取り込むのに苦労している。

 「PHPやRubyなどの言語やコンストラクトを使って開発されたこれらのタイプのアプリケーションが、Windows上でうまく動作しない時期もあった。IIS7とWindows Web Server Editionではこの点が改良されているが、後れを取ったのは事実であり、厳しい試練が待ち受けているといえそうだ」とスターテン氏は指摘する。

 しかしMicrosoftのワールドワイドパートナー部門のグループ副社長、アリソン・ワトソン氏が最近eWEEKに語ったところによると、ローンチイベントの時点でVisual Studio向けに1200本以上のISVアプリケーション、SQL Server用には1000本以上のアプリケーション、コアとなるWindows Server用には1200本のアプリケーションが出荷される見込みだという。

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