Yahoo!、Google、Appleについて質問攻めに遭ったバルマー氏

バルマー氏によると、MicrosoftがYahoo!を買収しようとしているのは、検索分野および検索連動広告ビジネスでクリティカルマスを獲得するためだという。

» 2008年03月10日 12時06分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、開発者にとって重要な問題について炉辺談話の中で静かに語るつもりでラスベガスで開催された「MIX」カンファレンスにやって来た。しかし同氏を待っていたのは、Yahoo!、Google、Appleに関する質問の嵐だった。

 談話の進行役を務めたのは、Garage Technology Venturesのマネージングディレクターで、Apple Computer(現Apple)の元フェローのガイ・カワサキ氏だった。同氏は、MicrosoftがなぜYahoo!を買収したがっているのかについてバルマー氏に質問を浴びせた。

 バルマー氏はこれに対して、Microsoftは検索と広告の分野で重要なプレーヤーを目指しているからだと答えた。インターネット広告市場は大きく、将来は巨大なものになると同氏は語り、Microsoftはこの分野で望む位置にいないと指摘した。

 「われわれは検索および検索連動広告の分野にもっと早くから取り組むべきだった。Yahoo!が当社にとって重要なのは、この分野ではクリティカルマスが必要だからだ」とバルマー氏は語り、Microsoftがオンライン広告分野では負け犬であることを認めた。

 バルマー氏によると、オンライン広告ビジネスでは規模が非常に重要であり、広告はWebページのコンテンツの一部であり、Googleはこの点でMicrosoftよりも大きなシェアを持っている。さらに同氏によると、検索は重要なアプリケーションであり、広告を掲載したMicrosoftのサービスとWebサイトを通じた検索が、すべての検索トランザクションの中で大きな割合を占めることを願っているという。

 Yahoo!の買収に成功した場合、1つだけはっきりしていることがある、とバルマー氏は話す。「それはどれも2つ存在することはないということだ――検索エンジンが2つになることもなければ、広告サービスが2つになることもない」。

 「Googleの創業者たちの絵を目がけてダーツを投げているのか」とのカワサキ氏の質問に対し、バルマー氏はそんなことはしていないと即座に否定し、「Microsoftではデスクトップ市場やサーバ市場、エンタープライズ市場におけるGoogleのプレゼンスを認めていない」と述べた。

 「Googleはこれらの市場にあこがれているだろうが、進出を果たしていない。彼らはエンターテインメント分野への願望も抱いている」とバルマー氏は指摘する。しかしこと検索市場に関しては、「Googleの独り勝ち状態であり、これに対してわれわれはせっせとがんばるばかりだ」と同氏は語る。

 カワサキ氏は、「Appleは目障りな存在であり、蹴散らしたいと思っているのか」とバルマー氏に質問した。

 バルマー氏は、そんなことは思っていないと答えた。「Appleは非常によくがんばっているが、われわれもがんばっている。何と言っても、われわれはAppleよりもはるかに巨大な顧客ベースを持っている。彼らはこれからもがんばるだろうが、われわれはこれからも熱意とエネルギーで勝負するつもりだ」と同氏。

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