コラム
» 2008年03月21日 15時00分 UPDATE

戸惑いながらも頑張る:99%の企業が取り組み、開始直前の内部統制監査

監査法人トーマツは、企業の内部統制報告制度の対応状況について、株式会社292社に実施した調査の結果を発表した。

[ITmedia]

 監査法人トーマツは3月21日、企業の内部統制報告制度の対応状況について、株式会社292社に実施した調査の結果を発表した。

 これによると、内部統制報告制度への対応作業の進捗状況は「文書化実施」段階と「内部評価実施」段階の企業が合計で247社(84.6%)あり、それぞれ124社(42.5%)、123社(42.1%)だった。

 上場区分別に見ると東証および大証1部、2部企業では「評価実施」段階が最多で、新興市場企業ではその手前の「文書化実施」段階が多かった。企業の体制としては、専任0名かつ兼任1〜10名が最も多く(92社)、内部統制の評価方法を課題として挙げた企業が最多(43%)だった。

tomatsu1.jpg 表1●取り組みの進捗状況(同社サイトから)

 292社のうち、何らかの形で取り組みを実施していると回答した企業は290社(99%)に上った。内部統制報告制度への対応は、一般的には「対応準備(計画立案)」「文書化実施」「評価実施」「外部監査」という段階を踏む。292社のうち、文書化段階にある企業が124社(42.5%)であり、評価まで実施(実施中含む) している企業も123社(42.1%)とほぼ同数だった。

 2006年に実施した同様の調査では、準備段階が55%で最多、文書化段階が9%、評価段階が10%であり、今回の調査では、上場企業が内部統制報告制度に向けて準備を本格的に進めていることが分かった。

作業の進捗状況

tomatsu2.jpg 表2●上場市場別の作業進捗状況(同社サイトから)

 作業の進捗状況を、東証または大証の1部および2部への上場企業と新興市場(ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスなど)に分けて分析した。東証・大証上場企業では、評価段階が最多(47%)で、新興市場企業では文書化段階が最多(50%)であった。

 東証・大証上場企業では企業規模が大規模かつ複雑なケースが多く、対応に時間を要することを見越して作業を前倒ししている可能性があり、一方、新興市場では、これから本格対応を進める企業も多いとしている。

内部統制報告制度への対応体制

tomatsu3.jpg 表3●内部統制報告制度への対応体制(同社サイトから)

 同調査では内部統制報告制度への対応のための人員についても調査した。内部統制報告制度への対応を専業で行う「専任」メンバーと、その他の通常業務との「兼任」メンバーの概数を調べた。

 調査の結果、専任メンバー・兼任メンバーの状況は表3のようになった。この中で「専任メンバー0名」かつ「兼任メンバー1〜10名」と回答した企業が92社(取り組みを実施していると回答した290社のうち32%)と最多だった。続いて「専任メンバー1〜2名」かつ「兼任メンバー1〜10名」の企業が46社、「専任メンバー3〜5名」かつ「兼任メンバー0名」の企業が39社となった。企業がさまざまな体制で内部統制報告制度に対応していることを示した。

 取り組みを実施していると回答した290社のうち39%にあたる112社の企業は、専任のメンバーを設置していない。だが、特に評価実施段階からは、(1)評価の実施や不備の改善をトップダウンで推し進めるための事務局機能、(2)各組織・拠点における評価のやりすぎや不足を防止する調整機能として、専任メンバーを設置する必要が出てくるという。

 一方、兼任メンバーは現場をよく知る強みを持つことが多い。専任と兼任をバランスよく活用するのが肝要だとした。

現時点の課題は「内部統制の評価方法」

 現時点での課題も集計している。「内部統制の評価方法」と回答した企業数が43%と多く、「外部監査人との協議・折衝」が続いた。

tomatsu4.jpg 表4●現時点での課題(同社サイトから)

 「内部統制の文書化方法」については書籍なども多く出されており、定型的フォーマットを利用するなど、作業量は多いとしても比較的取り付きやすいという。一方で、内部統制の評価方法は、各企業に合った方法を各社が自主的に構築することが期待されているとした。

 創意工夫によって各社の事情にあった効率的な評価が可能な反面、特に初回対応においては、どのように評価すればいいのか戸惑いを感じる企業も多いことが伺える。同様に「外部監査人との協議・折衝」も初めてのことであり、戸惑いながら進めているもの推測できるとした。また「文書化・評価ツールの導入」を課題認識している企業は現状は多くないとしている。

 調査は2007年12月に、トーマツ企業リスク研究所の発行誌「企業リスク」の読者のうち株式会社に勤務する人を対象にアンケート調査票を郵送、1月末までに回収した292社の有効回答を集計した。

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