BEA株主、Oracleによる買収を圧倒的多数で承認

米BEAの買収がOracleの技術およびミドルウェア市場にどのような影響を与えるか? という疑問は残されたままだ。

» 2008年04月08日 16時57分 公開
[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 BEA SystemsがOracleに買収される可能性がさらに高まった。同社は4月4日、Oracleが約85億ドルで同社を買収する提案に対して、株主がほぼ全員一致で賛成したことを明らかにした。

 BEAの発表によると、同社株主の99.9%が買収案の受け入れに賛成票を投じたという。これらの株主は、BEAの発行済株式の69%弱を保有する。買収合意に至れば、欧州委員会の規制当局の承認を経て、BEAはOracleの100%子会社になる見込みだ。

 この数年間、貪欲に企業買収を進めてきたOracleだが、BEAの買収には手こずった。Oracleのラリー・エリソンCEOは、同社の買収を決断する以前から獲得意欲をひんぱんに公言していた。2007年10月、BEAの取締役会に宛てた一連の書簡を通じ、Oracleは同社に対して総額約66億ドル(1株当たり17ドル)という買収額を提示した。BEAは提示額が低すぎるとしてOracleの提案を一度ならず拒否した形だ。

 委任状争奪戦も辞さない構えのOracleに対し、ホワイトナイトの出現を期待したBEAだが、最終的には、当初の提示額に14%上乗せした金額でOracleの提案を受け入れた。

 Oracleは今年1月、BEAの買収金額として85億ドル支払う用意があると発表した。

OracleのミドルウェアにおけるBEA製品の位置付けは?

 この取引が成立しても、最初に買収提案が発表されたときの疑問は残されたままだ――「BEAのミドルウェア技術は、OracleのFusion Middlewareスタックにどのような影響を与えるのか?」「Oracleが開発中の次世代アプリケーションスタックのFusion ApplicationsはFusion Middlewareを基盤とするが、BEAの技術は同スタックにどう影響するのか?」「最後に残された独立系ミドルウェアプロバイダーであるBEAをOracleが買収することで、IBM、Microsoft、Hewlett-Packard、SAPなどの企業が覇権争いを演じるプラットフォーム市場にどんな影響が及ぶのか?」という疑問である。

 合併合意の発表に関するアナリストとプレス向けの電話会見でエリソン氏は、BEAに関する計画について説明した。「BEAの買収は、広範な業界に渡るさまざまな規模の企業顧客から支持される戦略的ベンダーになるという当社の構想実現に向けた非常に大きなステップである。この取引により、当社のオープンソースベースの技術スタックは、Microsoft、IBM、SAP、Sunなどの企業やオープンソースベンダー各社の技術よりも大きな価値を提供すると確信している」と同氏は語った。

 エリソン氏によると、両社は多数のミドルウェア製品を持っているが、BEAの製品ラインおよび垂直市場での同社の基盤は、OracleのFusion Middlewareプラットフォームと「極めて補完的」な関係にあるという。「ほんの2例を挙げれば、契約が成立すると同時に、われわれはメッセージとトランザクション処理プラットフォームの分野のリーダーになり、通信業界分野でもトップベンダーになる」と同氏は話す。

 BEAの発表によると、欧州委員会の審査期間に延長がなければ、4月末に合併認可が下りる見込みだ。

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ