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» 2008年05月07日 14時10分 UPDATE

SAPPHIRE 08 Orlando Report:SAP、次の一手は「戦略的アジリティ」 (1/3)

エンタープライズSOAに基づく製品投入に区切りをつけたSAPは、次なる手としてこの「戦略的アジリティ」の実現を掲げる。効率性を追求しながら、戦略と業務執行のギャップをインサイトと柔軟なプロセスの組み替えで埋めることで、企業は業績の最適化を図ることができるという。

[浅井英二,ITmedia]

 米国時間の5月6日朝、フロリダ州オーランドで開催中のSAP年次カンファレンス「SAPPHIRE 08 Orlando」は、ヘニング・カガーマン会長兼CEOの基調講演が行われ、本格的な幕を開けた。

 広大な展示フロアの一番奥に特設された、軽く5000人は収容できる特設会場には早朝から熱心な顧客やパートナーらが詰めかけた。期間中の参加者は1万5000人に上るという。

 基調講演の冒頭には、サッカー仲間が華麗なリフティングに興じるビデオが流され、カガーマン氏は「ビジネスがグローバル化し、競争も激しくなる中、ほかのプレーヤーと自由につながり、同じゴールを目指してコラボレーションしなければならない。ITが対応していなければ、ボールを落としてしまい、ゲームには勝てない。どうボールをつなげばいいのか?」と聴衆に問い掛けた。

kagermann03.jpg SAPのカガーマン会長兼CEO

 カガーマン氏はここ数年、一貫して競争優位性を得るためには「Business Network」の構築が不可欠だとSAPPHIREで指摘してきた。単なる寄り合い所帯では利益の奪い合いになってしまうが、専門性を高めた企業がビジネス要件に応じてバリューチェーンを構成し合うBusiness Networkであれば、全体で他の模倣を許さない高い価値を提供できる。

 「顧客とのネットワーク、社員とのネットワーク、サプライヤーとのネットワーク……、企業が競争を勝ち抜くには、組織の境界を越えて社内外のさまざまなネットワークの力を活用しなければならない」(カガーマン氏)

 もちろん、ビジネスモデルによって、そのネットワークのタイプも異なる。ボリュームを追求するビジネスモデルであれば、組織の境界を越えたネットワークにもスピードが求められる。これに対して複雑なビジネスモデルでは、迅速なイノベーションが求められ、組織を越えて、人が協調しながらアドホックなプロセスを遂行しなければならない。

 「キャズム理論」の創始者であるジェフリー・ムーア氏は、前者を「Coordinated Network」、後者を「Collaborative Network」とそれぞれ呼ぶが、企業がさらなる成長を求めれば、現状のビジネスに安穏とすることなく、タイプの異なるネットワークをどちらも活用する「戦略的アジリティ」の確立が欠かせないとする。

 エンタープライズSOAに基づく製品投入に区切りをつけたSAPは、次なる手としてこの「戦略的アジリティ」の実現を掲げる。

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