「Visual Studio 2008」「.NET Framework 3.5」のSP1βリリース開発者体験を改善(1/3 ページ)

「Visual Studio 2008」「.NET Framework 3.5」のSP1にはバグフィックスが含まれるほか、パフォーマンス強化や新しいグラフィックス機能などが盛り込まれている。

» 2008年05月15日 16時29分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは5月12日、顧客の要望に応えた機能を多数搭載した「Visual Studio 2008」および「.NET Framework 3.5」のService Pack(SP)1βを大々的にリリースした。

 Microsoftのデベロッパー部門上級副社長S・ソマセガー氏はブログで、SP1βは「顧客のリクエストが多かった機能を幅広くカバーするコンポーネントを多数追加しており、開発者体験を改善できる。例えば、SP1はVisual Studio 2008にSQL Server 2008およびADO.NET Entity Frameworkのフルサポートを加える初のリリースだ」と述べている。

 ソマセガー氏によると、SP1βでは、WPF(Windows Presentation Foundation)デザイナーの機能とパフォーマンスが改善され、MFC(Microsoft Foundation Classes)ベースのOffice 2007 Ribbonなど、Visual BasicおよびVisual C++向けのコンポーネントとツールが追加され、安定性に関するフィックス、JavaScript機能の拡充、Web開発およびサイト配備の改善、IDE(統合開発環境)のパフォーマンス向上も含まれる。

 さらに.NET 3.5 SP1ではVSTS(Visual Studio Team System)が改良されており、「Add to Source Control」ダイアログのアップデート、Windows ExplorerからSource Control Explorerへのドラッグ&ドロップサポート、アンバウンドファイルのバージョン管理などの改善点があると同氏は説明している。

 「.NET Frameworkに関しては、SP1は管理機能を拡充し、セットアップを簡略化し、起動時のパフォーマンスを改善し、クライアント開発やリッチデータ“スカッフォールディング”のための新しい強力なグラフィックス機能を加え、Ajaxを改良した」(同氏)

 しかし多くの新機能の中で特に際立って見える機能として、ソマセガー氏は、クライアント向けに最適化された.NET Framework Redistの小型版「.NET Framework Client Profile」の導入に興奮していると話している。このプロファイルのメリットは、200Kバイトのブートストラッパーで応答速度を高めてアプリケーションセットアップURLへの最速の応答を可能にしたことや、アプリケーションと.NET Frameworkをパッケージ化してシームレスなインストール体験を実現するカスタムUIの統合、26.5Mバイトでインストールが高速な点(通常の接続で約6分)だ。

 またDynamic Data Expressionは、LINQ(Language Integrated Query)to SQLあるいはEntity Frameworkデータモデルから、フル機能のWebサイトを動的に構築するAPS.NETの新機能だとソマセガー氏は言う。

 一方、デベロッパー部門エンジニアリングチームの上級プログラムマネジャー、デビッド・バーグ氏は、SP1のパフォーマンス面の強化を取り上げた別のブログで、Visual Studio 2008 SP1には新機能、フレームワークのメジャーアップデートやフィックスが詰まっていると述べている。

 「VS2008 SP1には、新しいインストール/アップデートエンジンが盛り込まれている」とバーグ氏。

 「ユーザーはインストーラをダウンロードするだけでいい。インストーラがシステムを分析し、必要なコンポーネントだけをダウンロードする。従ってVS2008 Team Systemのデフォルトのインストールは、約600Mバイトをダウンロードするだけだ(デフォルトコンポーネントを全部はインストールしないなら、もっと小さくなる)。ダウンロードのパフォーマンスはインターネット接続やネットワークの競合によって大きく変わるが、おおむねIEのファイルダウンロードのパフォーマンスを上回る。ネットワーク接続が切れて、その後復活した場合は、ダウンロードが自動的に途中から再開される」(同氏)

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