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» 2008年05月22日 18時44分 UPDATE

SAPPHIRE 2008 Berlin:中堅中小企業を押すSAP、早期導入ユーザーはSaaSに満足 (1/2)

独SAPがドイツ・ベルリンで開催した年次ユーザーカンファレンス「SAPPHIRE 2008 Berlin」では、SMBに大きなスポットが当たった。

[末岡洋子,ITmedia]

 独SAPがドイツ・ベルリンで5月21日まで開催した年次ユーザーカンファレンス「SAPPHIRE 2008 Berlin」では、SMB(中小規模企業)に大きなスポットが当たった。欧州は中小規模企業が多いことからも、SMBは今年のSAPPHIREのテーマの1つとなった。

SMB戦略を支える3つの柱

 ERPがほとんどの大企業に導入されている中、業務アプリケーションベンダー各社が次に狙うのがSMBだ。最大手のSAPも例外ではない。SAPはこの分野で、中規模企業向けと小規模企業向けの2つのラインを用意し、昨年9月には初のSaaS(サービスとしてのソフトウェア)である「SAP Business By Design」発表、SaaS市場に参入した。

sapbr21.jpg クレイ氏

 グローバルでのSMB事業に責任を持つハンス―ピーター・クレイ氏は、SAPはSMB分野で展開するにあたり、1)市場拡大、2)製品ポートフォリオ、3)マルチチャンネルアプローチの3つの柱を立てたと説明する。

 1)はブランドの拡大により「SAP=大企業」というイメージを変えていく。2007年末時点でSAPのSMB顧客は7万5000社。1年半で1万社のSMBが新たにSAP顧客となった。年32%で増えたことになる。

 2)の製品では、中規模企業向けの「SAP Business All-in-One」、小規模企業向けの「SAP Business One」、そして2つの間を埋めるものとしてBusiness By Designを打ち立てた。買収した仏Business Objectsは「Crystal Reports」「Edge」などの製品により、すでにこの市場で顧客ベースを持つ。SAPにとっては新しい領域への拡大となる。

 3)では、直販と再販の2つのチャネルで展開する。SAP内には約6000人の営業部隊があり、約4500社の再販事業者がSAPソリューションを提供する。ここでもBusiness Objectsの買収の効果があり、同社買収により、もともとの2300社に約2100社の再販事業者が加わった。

短期導入、機能の2つからニーズに応える

 個別に製品の動向を見てみよう。

 小規模企業向けのBusiness Oneは、1万8700社の顧客を持つ。40カ国以上で提供されており、パートナーは約1170社。中規模企業向けのBusiness All-in-Oneも好調で、作業日あたり22社を新規顧客として獲得しているという。顧客数は現在、約1万2000社。50カ国以上で利用されており、1100社以上のパートナー、660種以上のパートナーソリューションがある。

 SAPはBusiness All-in-Oneを加速するため、今年3月のCeBITで、製造業など業界を絞ってベストプラクティスを基に迅速かつ確実に実装する「Fast-Start Program」を発表している。ハードウェアでは、米IBM、米Hewlett-Packard、米Intelと提携、現在、8カ国で提供している。

 ハードウェア(ブレードサーバ)とセットで事前設定、事前検証済みの状態で出荷する。「高度なビジネスプロセスを利用したいが、リソースの問題があるという企業が多い」とクレイ氏。実装コストは30〜50%削減できるという。

 SAPはここで、セルフサービス形式でコスト試算ができるWebページ「Solution Configurator」を用意している。誰もがアクセスでき、画面に沿って自社が必要とするプロセスを定義すると、ソリューションのスコープとコストを試算してくれる。要する時間はわずか数分。「企業が求めるスピードで実装できる」とクレイ氏は言う。

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