殿中でござる!――送ったメールは止められない悲しき女子ヘルプデスク物語(2/4 ページ)

» 2008年05月30日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

メール送信ミスも立派な情報漏えいです

 電話越しにも泣きそうな気配が伝わる。でもこればっかりは仕方がない。内容と相手を聞きだし、P子に対処法を伝え、誤送信先への対応に当たってもらう。今回は幸い、深刻な情報漏えいとなる事案ではなかったが、いつなんどき「事件」が起きるか分からない。その後、今後の防止策についても考えるため、P子にアドレス間違いがどのようにして起こったのか事情を聞いた。どうやら、単純にアドレス帳からの選択を間違えた上に、確認せずに送信ボタンを押してしまったようだ。

 メールのトラブルって、システム上のトラブルよりちょっとした人的ミスのほうが多いような気がする。いわゆる「オートコンプリート」でのミスが生じないよう、アドレス帳を利用しないとメールが出せない形にしているのに、選択間違いなどの単純ミスが起こる。何とかならないものだろうか。

 軽度か重度かの違いがあるとはいえ、メールでのアドレス間違いも一種の「情報漏えい」だ。一度送信ボタンを押したら最後、送信ボタンをクリックする前には戻れないのだから。そういえば先日、どこかの会社から、間違いFAXが送られてきたことがあったなあ。詳細な図面と見積書が、知らない会社から送られてきたことがあるのだ。宛先を見てすぐに間違いFAXだと分かったけど、あの詳細な図面、きっとその道に詳しい人が見たら、何の図面か一発で分かるものだろう。そして賢い人なら、どんな会社がどんな事業(商品)を始めようとしているかも分かってしまうだろう。間違いメールや間違いFAX1つで、ビジネスの天地がひっくり返ることになるかもしれないのだ。

 マジメに何か対処法は無いものかしらね。そんなことをぼけーっと考えていると、再び、電話が鳴ったのである。

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