インタビュー
» 2008年06月17日 08時00分 UPDATE

サーバ統合は隗より始めよ:ブレードのニーズを切り開くIBM (1/2)

ブレードサーバ市場は、中堅中小規模の企業まで広がりつつあるが、導入に踏み切れない企業も多い。IBMでは、具体的な利用イメージを提案しつつ将来的な仮想化へのパスを提案することで、導入のハードルを下げようとしているようだ。

[岡田靖,ITmedia]

1ソケットサーバに高い可用性を盛り込んだ意図

tonesaku.jpg 日本アイ・ビー・エム モジュラー・システム事業部 事業開発部 アドバイザリーITスペシャリスト 東根作成英氏

 IBMが2008年4月に発表した新型ブレードサーバ「BladeCenter HS12」(以下、HS12)は、最大4コアのプロセッサを搭載したシングルソケットのサーバだ。1ソケットであることから、当然ながらラインアップ上ではエントリー製品という扱いになっているが、これまでのエントリーラインとは異なる点も少なくない。特にポイントとなるのは、その可用性だ。HS12は1ソケットながら、ミッドプレーンにより冗長化された電源経路への対応、HDDのホットスワップ対応など、従来の2ソケットサーバに並ぶ可用性を備えている。

 日本アイ・ビー・エム モジュラー・システム事業部 事業開発部 アドバイザリーITスペシャリストの東根作成英氏は、その理由を次のように話す。

 「2年前には2コア×2ソケットのサーバを用いていた用途に対し、CPUが4コアになるなど高速化に伴って1ソケットサーバが適合するようになってきました。位置づけの変わってきた1ソケットサーバに対しては、可用性の面で従来の2ソケットサーバと同等レベルを求めるユーザーが多いという考え方に基づき、HS12は開発されたのです」

無いものに対するニーズは……

 「他社の製品をご存知の方は、HS12の可用性はオーバースペックに見えるかもしれません。位置づけの近い他社製品では4コア1ソケットのブレードサーバにSATAを採用しているものもありますが、それは可用性でなく価格のみが重視されるという考えに基づいており、わたしたちとは中小規模企業のお客様に対する考え方が異なるのだろうと思っています。この違いは、良い悪いということではなく、広い市場の中でどこを狙うかの違いかと思います。もちろん価格でも他社に負けるつもりはありませんが」と東根作氏は話す。

 ユーザーのニーズが明確ならば、ベンダーはそれに沿って、少し先を行く製品を作っていればいい。しかし、多くのユーザーは、自らのニーズを明確に言葉で示すことが難しい。だが、言葉に表されないからといって、ニーズ自体が存在しないわけではない。

 「現時点で存在しないものに対するニーズは、なかなかユーザーの言葉になって出てきません。そこで、隠れたニーズに合うかどうかを探りながら製品開発を進めています。今回は1ソケットのブレードでも高い可用性を求めるニーズが広がっているだろうと判断し、HS12を投入しました」(東根作氏)

 企業規模が小さくとも、大企業と同等以上のミッションクリティカル性をITシステムに求める企業は少なくない。オンラインのビジネスを、少人数でスタートさせるベンチャーも多い。しかし最初は、投資を抑えたいし、規模も小さくていい。そこにHS12がマッチする可能性は高いだろう。

 東根作氏は、ユーザー企業の事業拡大に伴うスケーラビリティも見据えたラインアップをそろえたと強調する。

 「1967年から仮想化に取り組んできたIBMとしては、サーバの仮想化というのは必然の流れだと思っています。HS12と同じシャーシに導入できる2〜4ソケットのx86ブレードで、仮想化にも余裕を持って対応できます。POWER6プロセッサ搭載ブレードではAIXも動作し、10数年前のAS/400用アプリも再コンパイルの必要なく動作します。選択肢が広く、かつ過去の投資を保護できるラインアップだと自負しています。5種類取り揃えたシャーシも、最初に投入されたブレード製品からずっと、基本的に互換性のあるものです。無駄なく投資して、将来的にも活用できるように、というわけです」

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