IT業界の仕組みと流れをイラストとグラフで読み解く新連載。第1回目のテーマはIT業界の「売上規模」。新人SE、江水君と一緒に成長していこう。
こんにちは。ABCソフトウェアサービスの新人SE、江水光雄です。これから、業界のこと、会社のことを諸先輩方から学んでいこうと思っています。
江水 冠里さん、世の中では「IT革命だ」「情報化社会だ」なんて言われていますが、いわゆる「IT業界」の売上規模って、どのくらいなのでしょう?
冠里 経済産業省の調べだと、IT、すなわち情報サービス業界の売上は16兆円弱ということになっていますね。
江水 16兆円ですか! 16万円なら、僕にも実感があるのですが……。
冠里 ほかの業界と比較してみると分かりやすいでしょう。次の図を見てください。
冠里 ちょっと古くなりますが、2006年度の数字だと、食品業界が17兆円、アパレル業界が1兆円弱、鉄鋼業界が15兆円、医薬品業界が3兆6000億円、化学業界が30兆円弱ですから、IT業界はかなりの規模であることが分かります。ちなみに、2000年におけるIT業界の売上は10兆円なので、わずか6年の間に1.5倍以上も成長していることが分かります。
江水 一口にIT企業と言っても、マイクロソフトのようにソフトウェアをパッケージ売りする企業もあれば、僕らのようにシステムを受託開発したり、システムの運用保守を専門にしたりする企業もありますよね。売上が大きいのは、どういった企業なのでしょう
冠里 では、次のグラフで見てみましょう。
江水 なるほど、受託開発を主に行う企業の売上が、圧倒的に大きいようですね。でもパッケージの売上も健闘していますね。運用保守とほぼ同じ規模のようです。
冠里 実は、パッケージの売上にはゲームソフトの売上が含まれているのです。下のグラフのように、ゲームソフトを除くと、パッケージソフトの売上規模はだいぶ下がってしまいます。
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