GreenIT: User's Case Study 沖電気工業 × ITR 生熊アナリスト:省エネ化が叫ばれる今、OKIが考えるICTを活用したグリーン化とは?

地球規模で環境やエネルギー資源に関する問題が深刻になっている。7月に開かれた「洞爺湖サミット」は、「地球環境サミット」と銘打ち温暖化防止などが議論された。同サミットでエコ製品を展示した沖電気工業は、国内外の拠点を問わずグループ全体で環境経営を実践するほか、オフィス全体の省エネを実現するシステムの開発や、消費電力を抑えるためのサーバ統合ソリューション提供など、メーカーの立場からも積極的に環境対策に取り組んでいる。調査会社アイ・ティ・アールのシニアアナリスト、生熊清司氏がグリーンに対する一歩先の取り組みを同社に聞いた。


グループ全体で取り組む環境経営

ikuma01.jpg アイ・ティ・アール シニアアナリスト 生熊清司氏
外資系コンピュータメーカーを経て、Cognos日本法人の立ち上げに参画。1994年からは日本オラクルにてRDBMSを中心とした製品マーケティングを担当、Oracleのブランド向上に貢献する。2006年8月より現職。昨年より、国内でのグリーンITに関するユーザー調査や雑誌やWebサイトへの情報提供などに力を入れている 。

生熊 沖電気工業(OKI)は、「情報通信システム」「半導体」「プリンタ」の3事業を中心に、幅広い分野でビジネスを推進されていますが、ものをつくり、販売するメーカーには社会の厳しい目が注がれるようになっています。特に「環境」への配慮といった観点で、OKIの考えるCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)はどのようなものでしょうか。

立花 OKIは、これまで日本市場向けが中心だったATM端末の販売を中国市場へも展開するなど、事業のグローバル化に積極的に取り組んでいます。世界に向けて事業を拡大していこうとしている中、地球規模での深刻な問題である「環境」への対応は、メーカーとしてのOKIにとって非常に重要だととらえており、環境活動計画「OKIエコ・プラン21」を作成し、毎年目標を策定しています。

生熊 同計画が掲げている具体的なビジョンを教えてください。

立花 各事業所がそれぞれ単独で環境活動を進めるのではなく、OKIグループ全体で効率的にマネジメントするという全社ネットワーク型の環境経営を目指しています。これまでは工場単位、拠点単位で個別に取得していた国際規格ISO14001を会社で1つの認証として統合することで、グローバルな視点で効率的な環境対策ができ、最大限の効果を引き出せます。国内はほぼ終わり、現在は中国やタイの拠点の統合を進めています。そのほか、環境への配慮という点では、省エネルギー製品の生産、二酸化炭素(CO2)や有害物質の排出を抑える事業活動、植林ボランティアなどを行っています。

「グリーンIT」で無駄な電力消費を制御

生熊 メーカーの立場ですと、製品や部品の中に電力消費の少ない電源回路などを組み入れて省エネを実現するという環境対策がありますが、一方で情報通信技術(ICT)を使って地球環境にどう貢献できるかを模索するのも果たすべき重要な役割だと思います。情報通信企業としてのOKIはどのような貢献ができますか。

tachibana01.jpg 沖電気工業 立花茂生氏
研究開発本部 技術マーケティング部 省エネシステムプロジェクト 主幹研究員

立花 いわゆるICTを使えば幅広い分野でさまざまなことができると思います。わたしが所属する研究開発本部では、無線センサーネットワークを研究開発し、これを活用した効率的なエネルギー管理を目指しています。例えば、コンビニエンスストアなどの流通店舗における省エネへの取り組みを見ると、冷蔵庫やエアコンといった個々の設備機器の対策が中心で、店舗全体としての統合的な省エネ管理はできていません。わたしたちが提供するのは、個別の機器に対する省エネ管理システムではなく、店舗内外に設置したセンサーから温度、湿度、照度、風速、電力などのデータを収集し、店内の快適さを一定に保つように、すべての機器をリアルタイムに制御するというシステムです。東京都内のコンビニエンスストアで行った実証実験では、店舗内を快適に保ちながら、年間消費電力を5%以上削減できる省エネ効果があることを確認しました。重要なのは、買い物客や従業員など、人間の快適性を念頭に置いて取り組んだことです。

また、PCやPBX(内線交換機)の情報を使ってオフィスのIT機器(PC、プリンタ)を制御するという研究も進めています。オフィスで消費する電力の約20%がIT機器で使われています。そこを削減するのも「グリーンIT」だと思っています。わたしたちの研究の特徴は、既存製品の省エネを実現する点です。新しい省エネ製品は次々に出ていますが、それが行き渡るまでには時間がかかります。そこで既存も含めてあらゆるものに対応できる技術の開発に取り組んでいるわけです。7月の「洞爺湖サミット」では、こうした研究成果を展示しました。

生熊 石黒さんは、ITを統括する情報システム部門として、グリーンITに対してどのような取り組みをしていますか?

ishiguro01.jpg 沖電気工業 石黒昇氏
情報企画部 担当課長

石黒 世の中の流れもありますし、対応しなければならない問題であると認識しています。OKIも自社製品やソリューションにグリーンITを実現する機能を取り入れているので、社内で先行導入して製品やソリューションの開発に協力しています。特にデータセンターのグリーンITについては、情報システム部門が積極的に取り組むべきだと思います。現在、わたしたちのCIO(最高情報責任者)が「データセントレックス」をテーマに掲げて、オフィスのPCにあるデータをすべてデータセンターに集約、統合しようと動いています。ただし、データセンターのスペースをこれ以上拡張できないため、限られた範囲内でいかに集約し、電力量、熱量、レイアウトを管理していくかが課題です。

「グリーンIT」を実現する仮想化技術

生熊 そうなるとデータを効率的にデータセンターに集約する必要があります。どのような考え方や技術を用いて集約度を高めているか、具体的な取り組みを教えてください。

石黒 これまで2つの取り組みを行ってきました。1つ目はインフラに関して、全社で数千台あったファイルサーバを2000年ごろから段階的にデータセンターへ統合しています。ここでBrocadeのFC(ファイバチャネル)スイッチを使用して、2台のストレージと10台のIAサーバをSANで接続しました。これにより、ストレージおよびサーバリソースの効率的な利用が可能になり、運用コストも大幅に削減できました。

もう1つは、アプリケーションサーバの統合です。これは、OKIのブレードサーバ「if Server BL460c」とVMwareの仮想化ソフトウェアを活用して複数のサーバを集約・統合するというもので、OKI社内で業務システムの統合を始めた2004年には対象サーバ台数が339台ありました。仮に統合環境をつくらなければ新たに94台が追加されて433台になるはずでしたが、業務サーバ基盤統合を行ったことでサーバ台数を約半分の195台にすることができました。ここでもストレージの接続にはBrocadeのスイッチを使っています。

brocade_oki01.jpg OKIが行ったアプリケーションサーバ統合のシステム構成図

もともとは社内サーバの老朽化対策で始めた取組みでしたので、あまりグリーンITは意識せず、リソースを集約してコストやセキュリティリスクを減らすことに努めていました。しかし、こうした取組みのひとつひとつが、グリーンITに貢献するものであると考えており、データやインフラのデータセンターへの集約をさらに推進していくことが今後のテーマです。

生熊 こうしたソリューションを構築するときに、コンサルテーションやアセスメントサービスが重要だと思います。ITベンダーでもあるOKIでは、そのノウハウを社内で蓄積しているのですか。

石黒 エンタープライズ向けに製品やサービスを提供する部署やグループ会社と協力し、情報システム部門がファーストユーザーとなって、ソリューションをつくり上げています。実際には、単にグリーンITやセキュリティだけでなく、全体のバランスを考えて構築することがポイントとなってきます。また、Brocadeのようなベンダーのイベントにも頻繁に参加し、最新の情報を得ることも重要です。

生熊 先ほどお話にも出ましたが、ソリューションで多くのBrocade製品を活用しています。機器の選定理由や判断基準は何ですか。

石黒 Brocade製品は主にSANで使用しています。遠隔地を繋ぐ必要のあるシステムの導入を検討した当時、SANとTCP/IPをつなぐ製品の選択肢は多くありませんでした。そこで、リーディングカンパニーであり実績も豊富にあるBrocade製品を選択したのですが、導入後は安定稼働しており、その信頼性には満足しています。また、SAN製品を導入することで運用も簡単になり、必要に応じて拡張できるので、その後は継続して活用しています。

生熊 グリーンITという点ではいかがですか。データセンターを運用する際に、使用する機器が省電力設計だったり、排熱に配慮していたりすることはポイントになってくるのでしょうか。

石黒 その通りです。実際、わたしたちが仮想化サーバで統合した時にも相当な熱が排出され、データセンターに備え付けの空調だけでは足りずに、別の冷却機でその部分を個別に冷やしたという経験があります。従って、データ量がますます増えていき、より多くの処理能力が必要になってくる中で、消費電力や熱対策については機器の導入を検討する段階から真剣に考えなければなりません。

電力総量をいかに管理するか

生熊 OKIが事業活動の中で社会貢献しているのと同様、メーカーとしてBrocadeもグリーンITにコミットメントし、業界団体の中でリーダーシップをとっています。そうした面はユーザーの立場として重要ですか。

石黒 そうですね。業界のリーディングカンパニーとしてグリーンITに対して積極的に取り組んでもらいたいと思っています。

立花 今後は電力資源をどのように確保し、利用していくかが重要な課題になります。例えばデータセンターを建てるときに、消費電力の総量を考えて設計しないと無駄なコストが膨大に発生してしまいます。そのためには、エネルギーに関するQoS(Quality of Service)が重要だと考えます。QoSは本来、ネットワーク上である特定の通信帯域を予約して通信の遅延や停止を防ぐための技術ですが、ストレージベンダーとスイッチベンダーがアプリケーションごとの電力を定めたQoSをつくることができれば、あらかじめ使用電力の総量の把握やエネルギーの制御が可能となります。NPOコンソーシアム「The Green Grid」に参加するなどグリーンITを推進するトップベンダーの1つであるBrocadeが、今後世界規模でそうした取り組みをされる事を期待したいと思います。

生熊 最後に、データセンター・ネットワーキングのリーディング・ソリューションプロバイダーであるBrocadeへの要望があれば教えてください。

石黒 一般的になってきたとは言えSANはまだハードルが高い部分があり、OKIにはネットワークやサーバの技術者がたくさんいる一方、SANの技術者はまだまだ少ないことが悩みです。Brocadeには、より簡単にSANを管理できる仕組みやツールを提供していただきたいですね。


グリーンIT実現のための考慮点とは?
〜ユーザ企業が認めるBrocadeグリーン・ソリューションの秘密〜

SANスイッチをはじめとするデータセンター・ネットワーキング・ソリューションのリーディング・プロバイダーであるBrocade。グリーンITが叫ばれる昨今、設立以来一貫して製品の省電力化に取り組み、ユーザ企業が評価するBrocadeの強みとはいったいどこから来るのか?

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Brocade Partners
ブロケードはパートナーとともにグリーンITの実現に取り組んでいます

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提供:ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年8月29日