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» 2008年08月01日 04時56分 UPDATE

CRMの新潮流:客を探せ――格闘する日本企業 (1/4)

企業にとって顧客の開拓は生命線だ。インターネットの登場でその手法に変化が起きつつある。「コラボ携帯」で顧客を開拓する端末メーカーなど“客探し”に奮闘する日本企業を取材した。

[怒賀新也,ITmedia]

この記事はオンライン・ムックCRMの新潮流のコンテンツです。


 iPhone旋風が吹き荒れ、日本の携帯電話メーカーは危機感を募らせる。端末から月額利用料にいたるまで、Appleがコントロールする事業モデルだからだ。そんな中で、日本の携帯端末メーカーやキャリアも独自の切り口で顧客の囲い込みを図っている。

 今回は、ファッションブランドなどと連携する「コラボ携帯」で顧客を開拓する端末メーカーをはじめ、営業代行という新たなビジネスチャンスを追求する企業、Webサイト刷新で読者開拓を進める新聞社、メルマガ2.0ともいえる販促支援新サービスなどを取り上げる。格闘しながら客を探すユニークな日本企業の取り組みを紹介したい。

 NECが「サマンサタバサ携帯」を関西限定で発売したところ、端末を欲しがるファンが東京から関西へ向かう弾丸バスツアーを組んだ――。端末メーカーのNECとしてはある意味で狙い通りだったという。関西限定にすることで端末への飢餓感を促そうとしていたからだ。

nec1.jpg サマンサタバサ携帯を買うと、ピンクの紙袋がもらえる。「買った瞬間からブランドの世界に入り込んでほしい」(NEC)という

 発売したのは、女性向けファッションブランドであるサマンサタバサジャパンリミテッドと組んで開発した携帯「N906iμ STNY by Samantha Thavasa」だ。ピンクをモチーフにし、ダイヤやハートを散りばめたデザインが売りだ。「コラボレーション先企業の顧客にブランドとして端末を認知してもらいたい」(NEC広報)という。

 この端末の販売でNECが仕掛けたのが口コミによる販売促進だった。ユーザーがブログやSNSでサマンサタバサ携帯の話題で盛り上がることを期待し、同端末の購入者約300人限定で発売記念イベントを開催した。会場の真ん中には大きなピンクのケーキを置き、モデルの橋本麗香さんや雑誌『ViVi』の読者モデルなどによるファッションショーを催したという。

 狙い通り、イベント参加者が「発売記念パーティに潜入!」といったタイトルでブログに書き込んだ。mixiには同端末専用のコミュニティーが作成され、7月31日現在で1230人ものメンバーを集めている。

 NECは現在、雑貨ブランドであるFrancfrancや家電のamadanaと協力したコラボ携帯を発売している。今後も「多様な分野のブランドを組み合わせたコラボ携帯を増やし、顧客開拓を進める」考えだ。同社が7月31日に発表した第1四半期決算によると、携帯電話の出荷台数は前年比約3割増の160万台と好調だ。

prada2.jpg 記者向けに配られたPRADAケータイ

 同様に、コラボ携帯として話題となった端末が「プラダ携帯」だ。NTTドコモがLG電子の端末と有名ファッションブランドのPRADAを組み合わせて、「PRADA Phone by LG(L852i)」として5月8日に日本での商品展開を表明した。

 NTTドコモは「日本人のブランド志向に着目した」という。高価格でもデザイン性を求めるユーザーを対象にしながら、ドコモブランドの底上げを図る狙いもある。LGとPRADAが組んで既に欧州を中心に40カ国で端末を販売していたことで、実現しやすかったという背景もある。

 インターネット時代の顧客獲得術として、口コミの活用と、複数ブランドの組み合わせによってユーザーに新鮮さを与える「新ブランド」を作り出す手法が見えてきた。

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