ヤフオクの取引トラブルが減少、ヤフーの安全対策被害遭遇率は0.003%

「ヤフーオークション」における不正ID取得やフィッシング詐欺などの被害件数、補償金額が大幅に減少したという。

» 2008年08月05日 05時45分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ヤフーは8月4日、インターネットオークションサービス「ヤフーオークション(ヤフオク)」の安全対策状況について説明した。詐欺などの被害件数や被害金額が最盛期に比べて大幅に減少したとしている。

 同社によると、ヤフオクをめぐるトラブルや犯罪で目立つものには代金を振り込んだ落札者に対して商品を送付しない「振り込め詐欺」や、「Yahoo! JAPAN ID」の不正取引、ヤフオクサイトをかたったフィッシング詐欺などがあるという。

 特にIDの不正な取引や使用では、「振り込め詐欺」を目的に第三者がユーザーに対してIDの買取を呼びかけたり、フィッシング詐欺によってID情報を盗み出したりするといった手口が見つかっている。

トラブルの実情を紹介することで、ユーザーに注意を促している

 これらのトラブルや犯罪に対し、ヤフーは2007年12月から対策を強化してきた。まず、ユーザーにIDの不正売買防止の啓蒙と第三者によるIDの不正な購入呼びかけなどを同社へ通報するサイトを開設した。同時に、振り込め詐欺の防止を目的に、商品受け取り後に代金を支払える「受け取り後決済サービス」の導入、トラブルの多いカーナビゲーションシステムや携帯電話などの取引ルールの変更を実施した。

 2008年3月からは啓発活動を強化し、トラブルへの対処方法を解説するページや実際のトラブル事例を紹介するページも公開。第三者によるIDの不正取得を防止するために落札者以外のYahoo! JAPAN IDを非表示にする対策や、産業技術研究所などと共同開発したフィッシング防止ブラウザ「Lunascape for Yahoo!オークション バージョン2.0」なども導入した。

四半期ごとの詐欺被害の発生件数と被害額

 同社は被害実数を公表していないが、これらの対策の結果2008年第1半期の詐欺被害発生率は0.003%となった。この確率は、ユーザーが毎週1回のペースを商品を落札しても詐欺被害に遭遇するのは500年に1度あるかどうかだという。なお、被害が最多となった2005年第2四半期は、ヤフーが詐欺被害認定者に支払った補償金が1億円を超えていた。

 説明したオークション事業部の八代峯樹事業部長は、「不正者のIDを迅速に停止するなど厳しい措置を取っているが、健全なサービス環境の実現に向けて安全対策の実施を進める」と話した。

過去のニュース一覧はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ