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» 2008年09月03日 09時53分 UPDATE

サーバ仮想化トレンド:サーバ仮想化が絶好調なワケ――メリットは何か(前編) (1/2)

IDCジャパンの調査によると、サーバ仮想化技術を導入したサーバの出荷台数は今後急速に伸び、2006年には国内サーバ市場の7.4%程度だったものが、2011年には39.4%になると予測する。サーバ仮想化がこれほど成長する要因とは何か。目的とメリットを含めて探っていく。

[富永康信(ロビンソン),ITmedia]

世界のサーバ台数は2010年に4000万台を超える

 世界に一歩遅れながら、ようやく日本でも仮想化技術の有効性が認識されてきた。世界が仮想化に期待する背景には、サーバ台数が爆発的に増加しているIT利用環境への危機感があるといえるだろう。

 世界におけるサーバの設置台数は、2005年から急増し、2007年はすでに3000万台を超え、2010年には4000万台を超えると予測されている。特に、オープン化によってx86アーキテクチャのサーバが企業に急速に浸透し、2006年中には約57万台が出荷され、2000年度の1.7倍になるという。

 だが、サーバの設置台数が年々増加している中で、サーバの購入費用は2000年に入ってから減少、あるいは横ばい傾向が続いている。サーバを大量に消費するクラウドコンピューティング事業者がコモディティなサーバを大量に採用していることもあるだろうが、マルチコアプロセッサーの普及で性能が向上したx86サーバの利用効率を高め、設置台数の増加を抑えることで、コスト削減を実現したいとするニーズが企業に高まっているとみられている。

 問題は、サーバの数が増えた分だけ消費電力と冷却のための電力が年々増加し、地球温暖化にとって極めてよろしくない状況になっていることだ。また、設置台数の増加にともなって、ソフトウェアのライセンス数も増え、運用管理費用も増加し企業を圧迫している。2007年におけるシステム投資全体の約6割が、運用管理コストに費やされているほどだ。

 この運用管理費用を今後いかに減らすか。その突破口がサーバの仮想化というわけなのである。

期待度大のハイパーバイザー型仮想マシンソフト

 サーバ仮想化技術にはさまざまな実装タイプがある。少し前のメインフレームやRISCサーバ時代には、「物理パーティション」、「論理パーティション」の2大技術が主流だったが、最近注目を集めているのがx86の物理マシンで稼働する仮想化ソフトウェアの実装形態である「ホストOS型」と、「ハイパーバイザー型」の2タイプだ。

仮想化 サーバ仮想化技術の実装タイプ。ハイパーバイザー型に各ベンダーが注力

 ホストOS型とは、基盤となるOSの上に仮想化レイヤーを設け、それがアプリケーションとして動作し複数のゲストOSを実行するタイプ。例えば、Windowsのホストの上でLinuxのゲストを動かすという形だ。また、ハイパーバイザー型は、Windowsや Linux などのホストOSは存在せず、x86ハードウェア上に仮想化ソフトウェアを直接実装し、その上で複数のゲストOSを実行するタイプのこと。ホストOS型に比べ、比較的オーバーヘッドが少ないのが利点だ。

 この2つの技術は、メインフレームやRISCサーバで行っていた仮想化が、x86サーバでも仮想化が可能になったことが実装を加速化した。特にハイパーバイザー型に各ベンダーが仮想マシンの製品を投入している。VMware ESX/ESXiやMicrosoft Hyper-V、Citrix XenServer、IBM z/VMなどだ。

 従来のサーバ仮想化は1つのサーバ上に1つのOSが対応し、複数のアプリケーションが同居するのでコンフリクト(干渉による機能不全)が問題とされ、ソフトとサーバが密結合していることでサーバリソースの非効率な利用が課題だった。ハイパーバイザー型のサーバ仮想化構成では、1つのサーバに複数のOSを実行させつつ仮想マシンの独立性も確保され、サーバリソースの有効活用と管理の効率化が図られている点が大きな違いだ。

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