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» 2008年11月18日 08時46分 UPDATE

導入コストの削減に期待:COBOLをクラウドに入れるMicro Focus (1/2)

COBOLはPythonやRubyなどの最新の言語と同様、クラウド向けのプログラミング環境の仲間入りをする。Micro Focusでは、企業がCOBOLベースのレガシーアプリケーションをクラウドに移行するのを支援する。まずはMicrosoftの「Windows Azure」に対応する。

[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 レガシーアプリケーションを現代化するソフトウェアのメーカーであるMicro Focusは、メインフレームを利用している企業がCOBOLアプリケーションをクラウドに移行するのを支援するための取り組みを進めている。

 Micro Focusのクラウド戦略の最初のインプリメンテーションは、Microsoftの「Windows Azure」クラウドに照準を合わせたものになるが、同社がそこでストップすることはなさそうだ。10月に開催されたMicrosoft Professional Developers Conference(PDC)でMicro Focusは、セキュリティと信頼性と拡張性に優れたCOBOLアプリケーションを「Azure Services Platform」上で動作できるようにすると発表した。

 企業ユーザーはエンタープライズモダニゼーション戦略の一環として、クラウドコンピューティングを利用することにより、Micro Focusの技術を「ソフトウェア+サービス」という形でMicrosoftのプラットフォーム上で実現できるようになるという。Micro Focusでアプリケーションモダニゼーションを担当するマーク・ヘイニーCTO(最高技術責任者)によると、この発表は、7月に明らかにされたMicro FocusとMicrosoftとの提携に基づき、両社の共同技術ロードマップをさらに拡張するものだという。

 「COBOLが.NETおよびAzureのクラウド上で市民権を獲得するのを望んでいる。クラウドコンピューティングがどこに向かっているにせよ、われわれはCOBOLをレースに参加させたいと考えている」とヘイニー氏は話す。

 ヘイニー氏によると、COBOLはクラウドに向いているという。「大規模な環境での動作を前提とするCOBOLは元来、クラウド環境に適している。クラウドがわれわれに提供するのは、必要に応じて拡大・縮小することができる柔軟性だ」と同氏は語る。

 Forrester Researchで調査ディレクターを務めるマイク・ギルピン副社長は、次のように述べている。

 「クラウドコンピューティングが非常に魅力的である理由の1つは、クラウドプロバイダーが提供している生のOSとファイルシステム機能が、メインフレームが提供する機能と非常に似通っていることだ。このため、Micro Focusが提供する技術は、クラウド内で動作するアプリケーションの信頼性と拡張性を高めるものとなるだろう。これは、CICSやIMSなどのインフラ要素が、以前は原始的なバッチ処理でのみ可能だった機能をメインフレームに提供したのと同様だ」

 またヘイニー氏によると、全世界のビジネストランザクションの70%はCOBOLベースのシステムを経由しており、そのトラフィックの大部分はIBMのCOBOLおよびCICSシステム上で動作しているという。

 Micro FocusはPDCで、メインフレーム用COBOLアプリケーションをクラウド内で動作させるデモを行った。「古風なメインフレーム用端末アプリケーションがクラウド内で動作するところを見せた」とヘイニー氏は話す。

 Micro Focusのソフトウェアのプレビュー版を使って行われたこのデモでは、企業が既存のCOBOLアプリケーションをプライベートクラウドサービス(その企業だけが利用できるサービス)あるいは市場全体で利用可能なクラウドアプリケーションに移行できることが示された。Micro Focusによると、企業が単一のグローバル運用モデルに移行するに当たっては、すぐに利用可能で拡張性の高いAzureを採用すれば、ビジネスをサポートするエンタープライズアプリケーションを迅速に配備することができ、必要な投資も少なくて済むという。

 Micro Focusのステュアート・マギルCTOは「現在の状況は、オープンで俊敏なプラットフォームに移行する価値を明確に示している。各アプリケーションに付き50〜90%の運用コストを削減できるのだ」と発表文で述べている。

 「クラウドコンピューティングモデルは、単一のグローバル運用モデルの統合と仮想化を促進するとともに、将来の投資要求を軽減するものと期待される。企業は今日、Micro FocusとMicrosoftのモダニゼーション戦略を受け入れることにより、Azure Services Platformエンタープライズクラウドコンピューティングプラットフォームのすべてのメリットを手に入れる準備をすべきである」(同氏)

 マギル氏によると、PDCでのデモはクラウドコンピューティングに関するMicro Focusの総合的なロードマップの第一歩だという。

 Microsoftのコネクテッドシステム部門のコーポレート副社長、ロバート・ウォーブ氏は「Azure Services Platformは、Micro Focusなどの業界パートナーが、企業ユーザーから求められる柔軟性、選択肢、コントロールを提供することによってアプリケーションを現代化するのを支援する。われわれはMicro Focusと共同で、開発者が使い慣れたツール、簡素な環境、オープンなプラットフォームを利用してクラウド用アプリケーションを開発するのを支援したいと考えている」と述べている。

 ヘイニー氏によると、クラウドコンピューティングはIT支出の経済を変革するという。関連するリソース要求と運用コストを伴う独自のハードウェアとインフラへの設備投資という時代から、共通して利用できるユーティリティサービスの時代に移行するのである。

 「われわれは、仮想化と“弾力化”を実現するための既存のソリューションに満足していない。PythonやRubyなどを使って自分でアプリケーションを作成する必要があるからだ」とヘイニー氏は話す。これは、クラウド向けアプリケーションを作成するためのGoogleのApp Engineなどのソリューションを指したものである。App EngineではPythonが必要とされる。

 「COBOLで書かれたアプリケーションをクラウド上で展開できるようにすべきだ。われわれは、ユーザーが既存のアプリケーションを変えることなく、クラウドのメリットを利用できるようにするつもりだ。.NETソリューションでは、Red Dog SDK(ソフトウェア開発キット)に変更する必要がある。ユーザーが何も変更しないで済むようにするというのがわれわれの方針だ。CICSフレームワークでは、Micro Focusが開発者に代わって変更作業を行うからだ。ビジネスロジックは変わらない」(ヘイニー氏)

 ギルピン氏は次のように述べている。

 「クラウドを目指している多くの開発者――現時点ではそのほとんどがISVである――と話をして分かったことは、彼らは使い慣れた開発ツール、言語、フレームワーク、インフラを利用してアプリケーションを開発、運用したいと思っているということだ。Micro Focusは、WindowsやLinuxなどのOSが動作するコモディティハードウェア上で、必要な関連アプリケーションインフラとともにメインフレーム用アプリケーションをホスティングし直して、CICS、IMS、DB2など必要なエレメントをすべて再現することを可能にする多数の技術を持っている。Micro Focusがこれらの機能をクラウドに移行することにより、開発者は既存のバックエンドアプリケーションをクラウド内でホスティングし直すことが可能になる。その結果、こういったワークロードをメインフレームワーク上で運用するのと比べて大幅なコスト削減を実現することができる」

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