「ITで地方活性化」を担うサービスの本命Weekly Memo(1/2 ページ)

経済産業省が地方のITサービスベンダーと中小企業ユーザーの仲介に乗り出すなど、ITで地方活性化を図る動きが活発化してきた。そこで本命となりうるサービスとは――。

» 2008年12月01日 09時25分 公開
[松岡功ITmedia]

地域のIT供給力強化に乗り出した経産省

 経済産業省がこのほど、地方のITサービスベンダーと、ITを利用して経営効率を高めたい中小企業ユーザーを仲介する事業に乗り出した。全国各地域で両者の「出会いの場」を提供するために、「地域イノベーションパートナーシップ」と名付けた新組織を発足。先週26日に都内でそのキックオフとなる全国大会を開いた。

 経産省の説明によると、新組織は地方の中小企業のIT活用によるイノベーションを促進し、地域経済の担い手としての自律的成長を牽引する基盤を構築することを目的としている。

 具体的には、企業規模や業種、地域性など多様な環境にある地方の中小企業ユーザーの実態に即したきめ細かなIT化を持続的に推進できるように、広域地域経済圏を単位として、ITサービスベンダーと中小企業ユーザーの連携強化を図っていく。新組織はその前提としての地域のIT供給力強化を図る地域主導の仕組みづくりを担っている。

 経産省ではこれまでも、中小企業がITを活用して経営効率を高めるためのセミナーを全国で展開してきた。新組織ではさらに地方のITサービスベンダーも支援し、売り手と買い手の仲介に乗り出した格好だ。

 地方のITサービスベンダーもほとんどは中小企業であり、たとえ優れた技能やサービスを保持していても、販路が限られているケースが少なくない。一方、中小企業ユーザーもITを活用してどのように経営効率を高めればよいのか、頭を悩ませているところが多い。そうした両者のニーズのマッチングを図ろうというのが、今回の取り組みである。

 経産省がこうした取り組みに乗り出したことで、ITで地方活性化を図る動きは今後ますます活発化してくるだろう。

 とはいえ、気になるのは、米国の金融危機に端を発したここ最近の景気後退の影響だ。中小企業向けのIT市場調査を行っているノークリサーチが先週27日に発表した11月の「SMB短観」によると、中小企業のIT投資意欲は今年度前半と比較して大幅に低下しているという。そうした状況の中で、どのようなサービスがITで地方活性化を図るための本命となりうるのか。

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