MicrosoftのWindows AzureとOnline Servicesは、エンタープライズアプリケーションの覇権を賭けたGoogleへの挑戦状だという。あなたはどちらのクラウドコンピューティング陣営に与するか?
あるアナリストによると、MicrosoftのWindows AzureとOnline Servicesは、エンタープライズアプリケーションの覇権を賭けたGoogleへの挑戦状だという。一方、別の専門家は、Webを本拠地とするGoogleこそ、SaaSとWebサービスをビジネスとして遂行できる最強のポジションにいる、と断言する。さて、あなたはどちらのクラウドコンピューティング陣営に与するか?
Microsoftが1カ月前に行ったWindows Azureプラットフォームの発表は、それだけでクラウドコンピューティングのマインドシェアをカリフォルニア州マウンテンビューからワシントン州レドモンドへシフトするのに十分なインパクトを持っていた。
Microsoftのチーフソフトウェアアーキテクト、レイ・オジーがロサンジェルスのPDCに集まった聴衆の上にAzure爆弾を落としたあと、何人かのソフトウェアアナリストが述べたコメントを見ても、それは明らかだ。同社はその、11月17日にGoogleのお膝元であるサンフランシスコでMicrosoft Exchange OnlineやSharePoint Onlineなどを発表し、クラウド戦略を一気に展開した。Azureは基本的にはベーパーウェア、すなわち2009年に本当に姿を現したとき、すべてを変えてしまうかもしれないコミュニティ技術のプレビューである。
「それでもAzureは、SaaSで徹底的にやりこめられたGoogleに、クラウドコンピューティングで雪辱を果たすための力をMicrosoftに与えてくれるだろう」と語るのは、Enterprise Applications Consultingのアナリスト、ジョシュ・グリーンバウム氏だ。
グリーンバウム氏はさきごろ、Exchange OnlineとSharePoint Onlineに関するコメントをeWEEK誌に寄せ、AzureからOnline Servicesに至るMicrosoftの総合的なSaaSアプローチに強い感銘を受けたとしている。
「MicrosoftがAzureやOnline Servicesで長期的に目指していることは、Googleが今日提供しているものより、もっと面白いサービスを提供することだ。それが可能であるのは、Microsoftがエンタープライズ市場に確固たる足場を持ち、エンタープライズクラスのサービスはどうあるべきかを理解しているからに他ならない。Googleはそのあたりをまだ理解していない」とグリーンバウム氏。
なぜそうなのか? 「Googleは広告で収益を上げる検索会社であり、エンタープライズ市場には入り込んでいない」とグリーンバウム氏。「それに対してMicrosoftは、OfficeからDynamicsビジネスアプリケーションまで、膨大な遺伝物質を持ち、エンタープライズ市場に君臨している」と同氏は指摘する。
MicrosoftがAzureとOnline Servicesを本格的に構築すれば、「Googleがたどり着けなかった最高のポジションをやすやすと手にすることができるだろう」とグリーンバウム氏は語る。
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