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» 2008年12月12日 08時45分 UPDATE

欧州では数千社の利用見込み:マルウェア対策管理のクラウドサービスとは

Panda Securityは5月からクライアントセキュリティ管理のマネージドサービスを開始した。飲食業界や教育業界の企業での利用が拡大しているという。

[國谷武史,ITmedia]
panda.jpg ロドリゲス氏

 「マルウェア対策やPCのセキュリティ管理はSaaS式に移行するだろう」――スペインのセキュリティ企業Panda Securityは、5月からSaaS(サービスとしてのソフトウェア)形式のPCセキュリティ管理サービス「Panda Managed Office Protection(PMOP)」を提供する。年内に数千社規模での利用が見込まれると、マネージドサービス担当ディレクターのブルーノ・ロドリゲス氏は話す。

 PMOPは、クライアントのマルウェア対策状況を集中管理できるもので、企業のIT管理者はWebコンソールを通じて、各クライアントの定義ファイルの更新状況やブロックしたマルウェアの状況などを確認でき、リポーティング機能やセキュリティポリシーの設定および配布などの操作ができる。クライアント側では、アンチウイルスやパーソナルファイアウォールなどの機能を持つエージェントによってセキュリティ対策を行う仕組みだ。

 ロドリゲス氏によると、同社サービスのクラウド化は2007年から着手し、同年11月に新出マルウェアを迅速にブロックすることを目的とした「Collective Intelligence」の仕組みを構築。Collective Intelligenceでは、おとりPC(ハニーポット)や提携するウイルスベンダー、同社ユーザーなどから提供された不審なプログラムを自動解析し、データベース化する。

 ユーザーは、不審なプログラムが悪意のあるものであるかどうかをデータベースに問い合わせ、不正ファイルである場合に実行を阻止する。PMOPは、Collective Intelligenceをベースに、企業がセキュリティ対策の状況を集中管理できるようにしたものだという。

 「クラウド型サービスの利用は、企業にとってコスト削減につながり、エンドユーザーにはマシンパフォーマンスの改善をもたらす」(ロドリゲス氏)

 同社のようなクラウドベースのセキュリティサービスは、2008年以降にほかのアンチウイルスベンダーも急速に採用した。従来型のアンチウイルスサービスは、ベンダーが入手した検体から定義ファイルを作成してユーザーに配布する。企業ではベンダーから配布された定義ファイルを専用サーバなどに一時保存して社員のマシンに再配布し、管理者はサーバで集中管理する。

 しかし近年は、新出マルウェアの数は急増し、定義ファイルの作成と配布にかかる時間も増加傾向にあるという。セキュリティ調査機関AV-Test.orgによれば、2004年に入手したマルウェアの検体数は約300万種だったが、2008年には1100万種に増加した。Panda Securityでは、2008年8月までに入手した検体数が2007年の全量を上回ったという。「2007年には平均的な定義ファイルのサイズが20Mバイトほどだったが、現在は60Mバイトほどになった」(同氏)

 クラウド型サービスでは、ユーザーがローカル上に膨大なサイズの定義ファイルデータを保有することなく、オンラインで最新のマルウェア情報を常に入手できる。企業ではマルウェア対策を管理するための仕組みを保有する必要がなく、管理者の負担も軽減する。コスト削減効果は50〜60%になるという。結果としてシステムを占有するマルウェア対策機能が軽減し、パフォーマンスが改善するとのことだ。

consol.jpg PMOPの管理者画面。日本語では10月から提供する

 PMOPの開始移行、特に欧州では広域展開する中堅・中小企業での利用が増加しているという。「オランダの企業ではわれわれのサービスを利用して、全国の学校にある2万7000台のPCのセキュリティ管理を受託している。スペインの飲食サービス企業では、国内にあるすべての店舗のPCを集中管理している」(同氏)。

 北欧のインテリア企業では、各店舗に分散した合計700台ほどのクライアントを管理しているという。PMOPは、事業エリアが広域で拠点当たりのPCは数台規模という企業でのニーズにマッチするとロドリゲス氏は話す。

 同社では、従来の定義ファイルベースによるアンチウイルスサービスを継続しながらも、将来的にはクラウドサービスへの移行を計画しているという。「オフライン環境を考慮すると“ふるまい検知”や最低限の定義ファイルはローカル上で必要だが、基本的にはオンラインベースでの対応になる。将来は、SaaSに“Security as a Service”という意味も加わるだろう」(同氏)

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