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ハギーが解説 目からウロコの情報セキュリティ事情:振り込み用紙は“甘い蜜”――コンビニでの個人情報は安心か (1/2)

日常生活の中ではさまざまなシーンで、個人情報を提供したり、提供を受けたりしている。今回はITから少し離れて、生活に身近な場所での個人情報の取り扱いを考えてみよう。


数々のセキュリティ事件の調査・分析を手掛け、企業や団体でセキュリティ対策に取り組んできた専門家の萩原栄幸氏が、日常生活に潜む情報セキュリティの危険や対策を解説しています。

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 今回はいつもと視点を変えて、身近な店舗などを利用する場合に気にかけるべき情報セキュリティを紹介します。例えば、わたしはコンビニエンスストアを毎日何回も利用しており、とても便利で生活に欠かせない存在です。しかし、その便利さの裏側に潜む部分をセキュリティの観点から考えてみましょう。

 昔、わたしが年末年始に出張で地方へ出かける時は、必ず保存できる食材(餅や梅干しなど)を鞄に詰めていったものです。今では元旦から営業している店舗が当たり前になり、コンビニエンスストアのように24時間開いているという安心感があります。深夜に活動する若者や地方都市では年配者の社交場ともなっています。さて、一見すると「良いところだらけ」のコンビニエンスストアですが、ここでのセキュリティ上の盲点とはどういうものでしょうか。

銀行は大赤字、コンビニは黒字。その理由は?

 読者のみなさんは「振込用紙」をどこで利用していますか? 携帯電話や通信販売、自動車税、大学の入学金……さまざまな用途の振込用紙がありますが、かつては銀行などの金融機関でしか取り扱いができませんでした。窓口でなければ振込用紙での支払いができず、平日の午前9時〜午後3時の間に銀行へ出向くのは少し大変でした。待ち時間も、昔は30分以上覚悟することが当たり前で、仕事を持つ人には業務時間を1時間程度中断するぐらいの覚悟で出向くしかなかったのです。

 しかし、今ではほとんどの人が「コンビニエンスストアを利用する」と回答するでしょう。もちろん、私もコンビニエンスストアです。時間の制約がなく、待ち時間もない……しかも、銀行の支店は統廃合が進み、近くに金融機関がない場合も多いのでコンビニエンスストア頼りという感じです。

 先日、ある銀行の窓口に振込用紙を持って順番待ちをしていたところ、行員が「この用紙はコンビニエンスストアでも利用できますよ。近くの店なら待ち時間もなく簡単に振り込みができます」と、ある意味で競合関係になるコンビニエンスストアへ誘導しました。これはどういうことでしょうか。

 銀行の振り込み業務は、実は赤字というのが現状です。しかしながら、振り込みの取り扱いは銀行の伝統的な業務の1つでもあり、やめることができないのです。「コンビニエンスストアでできることは、そちらに誘導する」というのは苦しい裏事情があるようです。それではなぜ赤字なのでしょうか。

 そこにはコストの問題があります。コンビニエンスストアでは、振り込みからパンや弁当の販売まで全部1つのレジで対応します。深夜では店員が1人で対応することもあります。一方、銀行では時間がかかりますが、最低3人ぐらいの専門家の手が介在して対応や処理を正確にします。必ず入金と振込用紙の金額が一致しているのかを複数の人がチェックしています。

 当然ですが、処理に伴うコストや人件費が相当に違うのです。この差がコストの差につながります。銀行が「非効率」ということではありません。金融機関にとっては「お金」が商品であり、厳重すぎるということはないほど、取り扱いのプロセスを重要視しているのです。

 コンビニエンスストアでは残念ながらその取り扱いが十分ではない場合があります。先日、わたしが深夜にコンビニエンスストアで振り込みをお願いした際、店員がその処理済みの振込用紙をレジの上の片隅に放置していたのです。風に飛ばされるのではないかとわたしは気が気でなく、つい店員に「伝票が飛ばされそうだけど、このまま放っておくのですか」と問いかけたほどです。残念ながら、コストの違いはこのような違いに現れます。

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