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» 2008年12月24日 08時00分 公開

悲しき女子ヘルプデスク物語:悲惨なUSBメモリ、名付けて「ユメちゃん」!? (1/2)

破壊され、そして(ヘンな)修理をされた結果、哀れな姿になってしまったUSBメモリを手にわたしは思う。日常使う周辺機器に「ニックネーム」を付けてあげれば、優しく扱う気になると思うんだけど、どうかしら?

[鐙貴絵,ITmedia]

うららかな昼下がりに訪れた、スプラッタなUSBメモリの恐怖

 仕事が山のようにたまっている時ほど、眠いもの。あるいは、やらなければならないことが目の前にあるというのに、つい部屋の掃除をしてしまったり、普段読まない本を読んでしまったりする、意思の弱いわたし……。その日もそう。軽いお昼ごはんを済ませたあと、仕事をさっさと片付けようと張り切ったのもつかの間。わたしの「上のまぶた」と「下のまぶた」はとっても仲良しになってしまい、すぐにでもくっついて「意識」を連れた逃避行に出ようとしていた……。

 「意識」も「意識」で、それに応じようとするから困る。青く透き通った「睡魔」という名の水晶がついた魔法の杖で、強制的にシャットダウン攻撃を仕掛けてくるのだから。だめだめ、それじゃ、だめなのよ! と、それまで劣勢だったもうひとりのわたしが警鐘を鳴らす。気分転換にコーヒーでも入れようかしら? と考え始めたとき、どこからともなく足音が聞こえてきたこと。軽やかに、しかし確実に近付いてきた足音の主は……、退職後の再雇用組、Iさんだ。しめしめ、これで睡魔との格闘にも決着がつきそうだ。それにしても、足音だけで人物が分かるというのも、変な技術(?)を身に付けてしまったものよね。

 Iさんは、齢60を超えるベテラン社員。この年代の人の例に漏れず、PCが大の苦手だった。「だった」というのは、正社員だったころはできる限りPCの利用を避けていたらしいのだが、定年退職のあと再雇用組に回ってからは、何をきっかけにか、それが一変したのだ。色々なことに興味を持ち、そして実践する人に変身したらしいのだ。

 そんなIさんの足音がわたしのデスクまで来たことを耳で確認すると、元気で軽快なIさんに負けまいと、振り向きざまに「こんにちはー」とあいさつしようとしたわたしだったが……。

 失敗した。

 半分寝ぼけている私の口から出た言葉は、「こにゃはー……」だったのだ。

Iさん 眠そうだね。あとにしようか?

 足音と同じように軽快な声で、開口一番、Iさんに言われてしまったわたし。最悪である。でも、これで眠気が一気に吹っ飛んだ。いえいえ、大丈夫ですよ、と一生懸命笑顔を作る。すると……。

Iさん そう? あのね、新しいUSBが欲しいんだけど。

 新しい「USBが欲しい」?……ああ、USBメモリのことね。

イラスト:本橋ゆうこ イラスト:本橋ゆうこ

 USBポートに接続できる周辺機器は数あれど、おそらく最も身近な存在はUSBメモリだろう。もちろんプリンタやスキャナ、デジカメやマウス、キーボードなど、USBに接続して利用する便利な周辺装置はたくさんある。その中でもUSBメモリは異色の存在だ。まず、本体にUSBコネクタが直接くっついていて、ケーブルがない。同じようなものにUSB接続の外付けハードディスクなんてものもあるけど、ケーブルがシッポのように生えているせいか、いかにも周辺装置ぃ〜、という印象を漂わせている。しかし、USBメモリにはケーブルがない。本体を直接USBポートに差し込む。いわば、本体がUSBポートと一体化してしまうように見える。おまけにUSBメモリは、本体が小さい。本当に小さいものでは、USBコネクタと本体が同じぐらいの存在感だったりする。また、(仕事で使うには抵抗があるものの)最近ではこんなのこんなのまである。本当にお手軽な存在になったものだ。

 そのせいか、わたしの身の回りには、USBメモリを「USB」と短縮して呼ぶ人が多い。「このデータ、USBに入れて渡してください」なんて使い方をするわけだ。もしかしたら、USBメモリのことを「USB」という、と勘違いしている人もいるかもしれない。もっとも、逆に「メモリ」とだけ言われても何のことだかさっぱり分からないのだけれど。もうちょっとかわいい略しかたはないものかしら。「Uメモ」とか、「Uメ(ユメ)ちゃん」とか。

 ゆめちゃん! それいいじゃん!……あれ、わたし、まだ寝ぼけてるのかしら?

 そんなことが、一瞬のうちにアタマを駆け巡る。そんなことを知るよしもなく、Iさんは言葉を続ける。

Iさん 今のUSBがさ、壊れかかっているんだよね。とりあえず修理したんだけど、このまま使うのは怖くって。新しいのが欲しいんだよ。

 そしてポケットから取り出したのは……見るも無残なスクラップと化した、会社支給USBメモリだった。

 どう表現すればいいのだろう。Iさんは一度分解、いや破壊してしまったようなのだ。メモリチップを覆うプラスチックのケースはいたるところにヒビが入っている。しかも、ところどころ欠けている。それを修理したのか、あちこちに厚く塗られた接着剤の跡がイタイタしい。落としたのか? それとも踏んだのだろうか。まずはIさんに聞いてみよう。

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