オラクル初のハードウェア製品は「10年に一度のテクノロジー」処理速度を向上したデータウェアハウスシステム

日本オラクルは1月20日、ストレージ製品「Oracle Exadata」シリーズを日本国内で販売開始した。同社では「10年に一度のテクノロジー」と自信をうかがわせている。

» 2009年01月20日 22時16分 公開
[横田貴司,ITmedia]

 日本オラクルは1月20日、ストレージ製品「Oracle Exadata」シリーズを日本国内で販売開始すると発表した。これは昨年9月のOracle OpenWorldで発表された、同社としては初のハードウェア製品。米国での発売を経て、日本でもリリースが開始される。発表会では日本オラクル常務執行役員システム事業統括本部長の三澤智光氏が製品戦略の解説を行った。

 Oracle Exadataは2つの製品からなる。1つ目の「HP Oracle Database Machine」は、「Oracle Database 11g」とストレージサーバ「Oracle Exadata Storage Server」、および最大168Tバイトのストレージを組み合わせて1つのラックに搭載したデータウェアハウスシステム。ハードウェアは日本HPとのアライアンスの元、同社の製品が使われている。一方の「HP Oracle Exadata Storage Server」は上記のストレージサーバとストレージ部分で構成されたものだ。

HP Oracle Database Machineの実機写真

 Oracle Exadataは処理の高速化を特徴としている。米オラクル・コーポレーションのサーバテクノロジー プロダクトマネジメント バイスプレジデントのマーク・タウンゼント氏によれば、米国の事例では従来の10倍から72倍ものパフォーマンス向上を実現したという。

 日本オラクルでは、この処理速度をアップさせるための仕組みを「Smart Scan」と名づけている。これは、クエリ処理をデータベース側だけでなくストレージ側でも行い、データベース側での処理の負担を軽減するというものだ。検索対象のレコードをデータベース側で検索するのではなく、ストレージ側であらかじめ該当する行列を抽出して、データ転送量そのものを減らすという考え方だ。抽出されたデータはInfiniBandを介してデータベースに転送され、さらに処理の高速化を図っている。日本オラクル社長の遠藤隆雄氏はSmart Scanについて「これは10年に一度のテクノロジー」と自信をうかがわせる。

日本HP代表取締役の小出伸一氏を交え、オラクルとの協業の姿勢を見せる

 また、運用面でもメリットがあるという。ハードウェア部分をソフトウェアとは別個でスケールさせることができるため、専用アプライアンスと比較するとシステム更新時のコストを大きく削減できると、三澤氏は説明した。

 価格はHP Oracle Database Machineが7065万2200円、HP Oracle Exadata Storage Serverが260万8700円。ストレージサーバソフトウェアのOracle Exadata Storage Serverはライセンス価格がディスクドライブ1台あたり108万7000円となっている(いずれも税別)。

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