隠し球はDWHアプライアンス、HPのXeonサーバで驚異のパフォーマンスOracle OpenWorld San Francisco 2008 Report(1/2 ページ)

Oracle OpenWorld San Francisco 2008は3日目を迎え、エリソンCEOが午後のキーノートで同社初となるハードウェア製品を発表した。HPと共同開発したデータウェアハウスアプライアンスだ。

» 2008年09月25日 09時38分 公開
[浅井英二,ITmedia]
今も製品開発に深く関与するエリソンCEO

 「iPodなんて比較にならない。これならとてつもなくたくさんの楽曲を格納できる」── Oracleの創業者のひとりであり、今も製品開発に深く関与しているラリー・エリソンCEOは、同社初となるハードウェア製品を茶目っ気たっぷりに紹介した。

 米国時間の9月24日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld San Francisco 2008」は3日目を迎え、Oracleの創業者のひとりであり、今も製品開発に深く関与しているラリー・エリソンCEOが午後のキーノートに登場した。

 データベースやアプリケーションで新たなリリースがなかったこともあって、今回のOracle OpenWorldではこれまでメインホールが埋まることはなかったが、やはり役者が違うのだろうか。「重大発表あり」との予告も拍車をかけた。メインホールは1時間前から開場し、人の波はどんどんモスコーニセンターの地下に吸い込まれ、7000席もみるみる埋まった。

ベールを脱いだ「X」。サーバマシンだった!

 満場の顧客やパートナーらが固唾をのんで待ったOracleの新製品は、同社初のハードウェア製品、「HP Oracle Exadata Storage Server」と、それを核としたデータウェアハウスアプライアンス、「HP Oracle Database Machine」だった。どちらもその呼び名から分かるとおり、HPとの共同開発によるものだ。

 データウェアハウスの容量は3年ごとに倍増しており、テーブルサイズが1テラバイトを超えてくると性能はスローダウンを始める。これまでのストレージは、スマートではなく、テーブルスキャンのためにテーブル全体をサーバに転送しなければならず、サーバとストレージのあいだのバンド幅がボトルネックとなってしまうからだ。

 これに対して、新しいExadata Storage Serverは、ストレージ側にパラレルクエリの機能を載せ、例えば、「9月23日の金額フィールドだけ」をデータベースグリッドに返すことで課題を解消する。

 Exadata Storage Serverは、2Uのラックマウントサーバ、「HP ProLiant DL180 G5」サーバをベースとしており、4コアのXeonプロセッサを2基搭載、ストレージは最大12基、12テラバイトまで筐体内に拡張できる。OSにはOracle Enterprise Linuxを採用し、Oracle Parallel Queryのモジュールが稼動し、よりデータに近いところでクエリ処理することで、これまでの10倍以上という驚異的なスピードを叩き出すという。

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