タタやロレアル、インテグレーション要らずのOracle AIAでビジネスを加速Oracle OpenWorld San Francisco 2008 Report(1/3 ページ)

Oracleの年次カンファレンス、「Oracle OpenWorld San Francisco 2008」がモスコーニセンターで本格的な幕を開けた。オープニングキーノートでは、Oracle AIAで俊敏さを獲得した多くの顧客が紹介された。

» 2008年09月24日 00時05分 公開
[浅井英二,ITmedia]
今年のデーマは「Your.Open.World.」

 まだ薄暗く肌寒い早朝から300台を超えるバスが、けたたましくサンフランシスコのダウンタウンを行き交う。米国時間の9月22日、今年で12回目となるOracleの年次カンファレンス、「Oracle OpenWorld San Francisco 2008」がモスコーニセンターで本格的な幕を開けた。

 3万4000人の参加者でダウンタウンの主なホテルはすべて満室となり、ケーブルカーがトレードマークの繁華街もごった返している。サブプライムローン問題に端を発した景気後退不安もここばかりは無縁のように思える。先週発表されたばかりのOracleの業績も好調だ。8月末に締めた同社の第1会計四半期は、売上高が18%増の53億ドル、純利益は28%増の11億ドルに達した。

 オープニングキーノートに登場したチャールズ・フィリップス社長は、「われわれはこの1年、3000の製品ラインで機能強化を図るとともに、BEA Systemsをはじめとする9社を新たに買収・統合した。データベースのシェアは49%に達し、ミドルウェアもナンバーワン、アプリケーションも業種別ソリューションを強化している」と胸を張った。同社がこの4年あまりで約50の買収を行い、顧客ベースの拡大をひた走ってきた狙いは、スケールメリットであることは明らかだ。

 「ナンバーワンになることで、開発投資を捻出し、さらなるイノベーションを継続できる」とフィリップス氏。

国民的英雄、フェルプス氏を招待したフィリップス社長

 しばしば、アスリートたちをゲストに迎えてきたOracle OpenWorldだが、今回は北京五輪の競泳で8個の金メダルを獲得したマイケル・フェルプス氏をステージに招き上げ、国民的英雄を称えた。

 フェルプス氏は、「食べて寝て泳げばいい」と自身の毎日を表現したが、「ただし、7歳で水泳を始めたときから、だれもやったことのないことをやりたい、と強く願ってきた」という。

 Oracleは、5年後に売り上げを現在の2倍、約500億ドルへと成長させる意欲的な計画を掲げている。

Complete.Open,Integrated.

 オープニングのキーノートで一貫して語られたのは、「Complete」「Open」「Integrated」という3つのキーワード、つまり完全に統合されたエンドツーエンドの製品群を、オープンかつ標準に準拠したミドルウェアとデータベースアーキテクチャー上で提供する、という同社の戦略だ。

 「顧客の声に耳を傾けると、多くはシステムが非常に複雑だという。しかも、細分化されたシステムが乱立し、相互に連携できない状態だ」とフィリップス氏。そうした顧客の声に応えるのが、3つのキーワードを実現する同社のソリューションだ。

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