「年齢で落とされる」は6割超 シニアエンジニアが直面する採用の壁と本音

シニアエンジニアの64%が採用選考における年齢による選別を実感していることが、モロの調査で判明した。本人は実力主義の評価を求める一方、AI時代への適応や若手との共存において、経験価値と採用の壁との乖離が鮮明となった。

» 2026年02月05日 07時00分 公開
[ITmedia エンタープライズ編集部]

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 エンジニアとしての実力や経験が評価されるべき開発現場において、依然として「年齢の壁」が厚く立ちはだかっている実態が明らかになった。

 シニアエンジニア特化のフリーランス求人サイト「レガシーフォース」を運営するモロは2026年1月31日、40〜60代のITエンジニア600人を対象に実施した「若手エンジニアとの関係性に関する調査」の結果を発表した。採用選考に関わるシニア層の6割以上が、年齢を理由とした選別を肌で感じているという深刻な現状が浮かび上がった。

AI時代のエンジニア像 若手との共存と課題

 採用や案件選考に関わる機会があると答えた417人のうち、64%に当たる266人が、年齢による選別について、「よくある」「たまに感じる」を回答した。年代別で大きな差はなく、40〜60代まで幅広く同様の認識が示された。年齢による扱いの違いを「全く感じない」と答えた人は28人にとどまった。

40代よりも50代の方が「年齢を理由とした選別」を感じていない(出典:レガシーフォース)

 評価基準として何を重視すべきかという設問においては、「年齢や在籍年数」を選んだ人は2.7%(16人)にとどまった。一方、「判断力や設計力、品質への責任」が42.7%(256人)で最多となり、「過去の経歴や成果」23.8%(143人)、「最新技術へのキャッチアップ力」20.7%(123人)が続いた。回答傾向からは、評価は属性ではなく、現時点で発揮できる力に基づくべきだとする認識が主流になっていることが読み取れる。

 AIや若手の存在による自身の立ち位置の変化については、「学び続ければ、今後も問題ないと思う」が44.7%(268人)で最多、「経験や判断力で価値を出せる」が23.7%(142人)と続いた。前向きな見方が中心となるが、「あと数年で厳しくなりそう」18.7%(112人)、「既に先行きが見えない」13%(78人)と、約3割が不安を抱いている。

 若手のAI活用に関しては、「基礎学習と並行して使えば、AIは学習効率を高める」とする回答が37.8%(227人)で最多。「AIに頼りすぎると理解力や問題解決力が育たない」も19.7%(118人)あった。「AIの使い方を極めれば、基礎学習は要らない」とする回答は4.7%(28人)にとどまり、基礎学習による能力向上を重視する層が大勢を占めた。

 若手との仕事上の関係では「若手と一緒に仕事をする機会がほぼない」が30%(180人)で最多。特に60代からの回答が多かった。「若手のアウトプットをレビュー・補完する立場になることが多い」29.8%(179人)、「対等に意見交換している」26%(156人)も一定数存在し、関係は多様化している。

 モロの代表取締役である前田洋平氏は、現場では世代を前提としない役割分担が進んでいるが、入口段階では年齢が判断材料として使われる現実が残ると指摘した。人材不足が続く中、年齢基準の妥当性を改めて考える必要があるとした。

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