25年間にわたるPC革命を振り返るPC WEEK/eWEEKの昔話(1/2 ページ)

一人のジャーナリストとして1984年にPC WEEK編集部で働くというのは、カリフォルニアのゴールドラッシュを取材するために1849年にサンフランシスコに赴任するようなものだった。

» 2009年03月03日 06時00分 公開
[John Pallatto,eWEEK]
eWEEK

 1984年の初め、「PC WEEK」誌を刊行した編集チームの一員として働くというのは、目くるめくような、そして時として混沌とした日々を過ごすことであった。

 われわれは最新製品の発表に伴う混乱と不確かさと格闘する一方で、編集スタッフ全員が取材を通じてエンタープライズデスクトップコンピューティングに関する知識を深めていった。

 Ziff-Davis Publishingが1984年2月28日にPC WEEKを正式に発刊したとき、エンタープライズデスクトップコンピューティングを専門とする週刊誌に市場が関心を示すかどうか、誰も確信が持てなかった。出版業界でも懐疑的な見方が支配的だった。

 当初の編集部員の中には、IBM PCを使った経験のある人もいれば、Apple IIやTandy TSR 80、OsborneポータブルといったPCの経験者もいた。しかしわれわれはまだ、PCがビジネス環境の中でどういった役割を果たすのかについて勉強し始めたばかりの段階だった。われわれは多くの冷笑的なITマネジャーに対して、ビジネスパーソンは社内でPCを効果的かつ効率的に利用することができることを立証しなくてはならなかった。

 当時、「企業のIT」はメインフレーム、ミニコンピュータ、そして「ダム端末」を意味した。ほとんどのITマネジャーは「PCは子供のオモチャであり、企業の中に居場所はない」と言っていた。しかし、マイクロコンピュータとPCソフトウェアは爆発的に進化した。

 2年も経たないうちに、多くの人々の見方が変わり、「PCはオモチャ」と言っていたITマネジャーたちは、ワープロ、表計算、データベースなどのソフトウェアを備えたPCをもっと購入してほしいというビジネスパーソンの要求に抗しきれなくなっていった。間もなくこれらのPCユーザーは、メインフレームやミニコンピュータに保存されている社内データにアクセスしたいと要求するようになった。

 そのころは、PC WEEKの記者、編集者、製品評価担当者たちにとって、市場に出たばかりの最新鋭のPCをいじくり回すのが楽しくて仕方がなかった。1984年3月にPC WEEKの特集記事のライターとしてわたしに最初に与えられた仕事は、当時出回っていた各種のDOS互換PCのバイヤーズガイドを執筆することだった。正直なところ、わたしは驚くほど多くの種類のマシン、モデル、オプションが市場に存在するのかを知って圧倒されてしまった。PC WEEKの最初のバイヤーズガイドでは、40種類を超えるPC-DOS/MS-DOS互換モデルを取り上げた。これらの製品の中には、DOSとそれよりも以前のCP/M OSとの切り替えが可能な機種もあった。

 その後、われわれはCompaqおよびIBMの初代“ポータブルPC”に触れる機会も得た。実際には、これらのマシンはポータブルといえるほど楽に持ち運べるものではなく、琥珀色または緑色表示のスクリーンを装備した重い箱形のケースに収められた作りになっていた。

 しかし、1984年から1985年にかけて登場した初期の液晶ディスプレイを搭載したラップトップ型ポータブルPCは、信頼性の高いマシンへと急速に進化していき、出張の多いビジネス戦士にとって必須のアイテムとなった。

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