業務情報は風前の灯!――出張帰路の安らぎを奪う謎の白い液体悲しき女子ヘルプデスク物語(1/4 ページ)

わたしにとって出張の楽しみといえば、新幹線内でいただく駅弁。でも時には“思わず目を離せない乗客”に出くわして、駅弁に集中できないこともある。それも仕方ないじゃない。ヘルプデスクという職業柄、気になる出来事もあるんだから――。

» 2009年07月07日 08時00分 公開
[ITmedia]

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白い液体、登場!

 先日、久しぶりに東京へ出張した(わたしは関西在住なのです)。勤務先は、支社ごとにヘルプデスクに相当する部署があるから、わたしが出張するなんてことはめずらしいこと。小旅行気分で新幹線に乗り、段取り良く仕事も終えたわたしは、上機嫌で帰路についた。

 足取り軽く、帰りの新幹線に乗るべくホームに向かうわたし。お弁当とお土産を買い込んで、19時頃に出発する「のぞみ」に乗車する。「席は、前から2列目の通路側よね……」と切符を確認しながら、車両の扉を抜けようとした時だった。ちょうどわたしの席から斜め前に当たる席、つまり1列目の通路側に座っているおじさまに、なぜか視線を奪われた――。

 いや、正確には、おじさまが持っている飲み物に視線が釘付けになったのだ。そのおじさまは、よくバーベキューパーティなど屋外で食事するときに使う、透明なプラスチックのコップを持っていた。で、その透明なコップの中身が……。

 白いのだ。

 思わず凝視するわたし。おじさまは、わたしの視線に気付くこともなく、その白い液体を飲んでいた。やがてわたしは、おじさまの横を通り過ぎて自分の席へ座ったが、頭の中はもう、その白い液体のことでいっぱいである。

 あの白い物体はナンだろう? 牛乳?

 長い旅路に、いい暇つぶしの材料ができた。わたしの席からは、ちょうど自然な位置に白い液体入りのコップが見える。あれはいったい何だろう? このことを考えるだけで、1、2時間はもちそうだ!

 見ると不思議な白い飲み物、ちょっと“粘り気”があるようだ。おじさんが飲むためにコップを傾けた時のゆれ方で、その程度が分かる。あの粘り気、どこかで見たような気がするな……。そう、あれは確か、お医者さんで健康診断のときに。

 バ、バリウム? まさか! それはさすがにあり得ないでしょ。

 じゃあ、ヨーグルトかな? だとすると、あのおじさまはどこからヨーグルトを取り出して、いつあのコップに入れたのだろう? ヨーグルトドリンクはたいてい、缶か紙パックに入っている。コップに移す必要はないはずだ。うーん、疑問は尽きない。

イラスト:本橋ゆうこ イラスト:本橋ゆうこ
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