Windows 7の経済効果Weekly Memo(1/2 ページ)

マイクロソフトが先週、法人向けのボリュームライセンス販売を開始した「Windows 7」。果たしてその経済効果は――。

» 2009年09月07日 09時06分 公開
[松岡功ITmedia]

2010年末までに2兆3000億円規模へ

 マイクロソフトが先週1日、Windows 7の法人向けボリュームライセンス販売を開始した。不評のWindows Vistaに代わって、企業向けクライアントOSのスタンダードになると目される新製品である。

 同社の樋口泰行社長は同日の記者会見で、VistaをはじめとしたWindowsユーザーの声を徹底的に反映して設計・開発したことを強調し、「たいへん出来の良いOSに仕上がった」と胸を張った。

 Windows 7の機能や特徴についてはすでに数多くの報道がなされているので関連記事等を参照いただくとして、ここではその経済効果について考察してみたい。

 樋口社長は記者会見で、Windows 7が日本経済に与える影響について、調査会社のIDC Japanのデータをもとにこう語った。

 「直接効果としては、2010年末までに1000万本のWindows 7が法人及び個人ユーザーに導入され、大企業の6割が3年以内にクライアントOSとして採用する見通しだ。また波及効果としては、同時期に8250億円のWindows 7関連の開発・販売・サポート投資が行われ、パートナー企業の関連収益はマイクロソフトの収益の24倍に達する見込みだ」

 その上で、ソリューションサービスやソフトウェア、周辺機器などを合わせたパートナー企業の売上高は、同じくIDCのデータをもとに、2010年末までに2兆3000億円規模になるとの見通しを披露した。

 ちなみに、すでに163社の企業ユーザーが半年以内の採用を決めており、同条件で18社だったVistaの発売時とは10倍近い勢いの差がある。また、企業ユーザー向けソリューションとしては、アプリケーション移行支援サービスや導入展開、サーバ連携ソリューションなどを提供する21社のパートナー企業が同日、31種類のソリューションを発表した。

記者会見に臨むマイクロソフトの樋口泰行社長

 さらにソフトウェアおよび周辺機器については、最終製品の検証段階でISV140社・4500製品、周辺機器メーカー78社・9200製品が対応しており、「売れ筋製品の8割以上をカバーしている」(樋口社長)。これについてもVistaの発売時の2.5倍に達するという。この点は互換性に直結するだけに大きなポイントだ。

 こうしたことから、樋口社長は「昨今の厳しい経済状況にあってIT業界でもなかなか売れる商材がない中で、Windows 7には非常に大きな期待をいただいている」と語った。

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