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» 2010年08月13日 16時46分 UPDATE

オルタナブログ通信:そのマスターは信用できるのか――高齢者不在問題を考える (1/4)

日々約260人のブロガーがITにまつわる時事情報などを発信しているビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」。今回は「高齢者」「出版」「iPhone」「セキュリティ」「GIGAZINE」について紹介しよう。

[森川拓男,ITmedia]

戸籍と住民票の違い

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 日本中で100歳以上の高齢者の所在が不明になっているそうです。どういった状態なのでしょうか?

 戸籍と住民票の違いは?:一般システムエンジニアの刻苦勉励


 斉藤徹氏「in the looop」のツイッター世界最年長,104才のIvyおばあちゃんが逝去されましたによると、Twitterユーザー世界最年長だったイギリスのIvy Bean氏が、6万人のフォロワーに見守られつつ104歳の生涯を閉じたという。彼女がFacebookを始めたのは102歳の時だったとか。

 ちょうどこのタイミングで、Twitterがあるポリシーを設けたと発表された。ユーザーが亡くなったとき、残されたTwitterアカウントをどう扱うのかについてだ。社会の高齢化が進む中、GoogleやFacebookも、ユーザーが亡くなった際の対応を定め始めている。

 高齢化社会といえば、日本もそうだ。医療や年金など、高齢化に伴う問題が山積している。そして最近、奇妙な事例が続発した。都内で最高齢だった人物がミイラになって発見されたのを皮切りに、全国各地で消息不明の100歳以上の高齢者の存在が判明したのだ。

 これらの報道を受けて山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」は戸籍と住民票の違いは?で、冒頭の問いを投げ掛けた。筆者も最初は、国や自治体が住民の状況を正確に把握し、その上で統計が出されているのだろうと、漠然とではあるが信じていた。それがこうも所在不明の老人が出てくるとは――中には、20年以上も消息不明になっている事例もあるのだ。

 山口陽平氏は、戸籍と住民票について調べまとめた結果、一連の事件は「おかしい」データのチェックが甘かったか、「おかしくないように見える何かが行われた」のどちらかではないかと推測している。

 生存確認は直接面談すれば済む話のはずだが、死亡や失跡したら家族が届け出をするはずという、いわば性善説に基づいて、それらの作業が行われなかったというのが実態なのだろう。近年、個人情報やプライバシー保護を前面に押し出す傾向もあり、調査しづらくなっていたのかもしれない。そもそも対面調査には、人員や予算が掛かる。

 たとえコンピュータに入力されたデータベースであっても、人の手で入力すれば間違いが発生することもある。するとそのデータの人物は、データ上は存在しないことになってしまう。話題になった“消えた年金”も、そういった問題が要因の1つになっていると容易に想像できる。

 今回発覚したように高齢者の生死がきちんと確認できないと、ほかにも困ることがある。山口陽平氏が危惧(きぐ)するのは、国際的な信用の低下だ。日本は今まで戸籍制度がしっかりしているから安心できると諸外国から思われていた。それなのに、生死すら正確に管理されていなかったことが発覚したのだ。高齢化社会、高齢化社会と言うが、(100歳以上に限らず)本当にきちんと生死を確認して再集計してみれば、平均寿命だって変化するかもしれない。

 国民総背番号制にしても、間違ったデータが登録されてしまえば意味はない。「高齢者の件もこの件も、日本が維持してきた優秀なマスタ情報にほころびが生じ始めた現れではないか」と山口陽平氏は指摘している。優秀と思ってきたマスター情報は本当に優秀だったのかということも含めて、再考する時期に来ているのではないだろうか。年金や税制などの改革をするのならば、まずは基盤となる国民の状況を把握することこそ、政治が取り組まなければならない課題だろう。

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