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» 2011年02月14日 08時30分 UPDATE

クラウドと向き合うための勘所:クラウドに期待される“攻め”のビジネス活用 (1/2)

クラウドの導入によって企業は何を目指すべきだろうか。「メディア横断企画 クラウド討論会2011」では、ビジネスに貢献するクラウドの活用について熱い議論が交わされた。

[合田雅人,ITmedia]

 アイ・ティ・アール(ITR)主催による「メディア横断企画 クラウド討論会2011」が1月下旬に行われた。主要IT系メディア(ITmedia/CNET Japan/TECH.ASCII.jp/ITLeaders/日経コンピュータ)のトップがクラウド時代と向き合うためのポイントについて活発な議論を交わした。

 前回はクラウドの導入でユーザーが抱く不安要素について掘り下げた。不安を消し去るには、ユーザーがクラウドに求めるものを明確にするというのが、各メディアのトップが出した提言である。今回は、企業のビジネスにクラウドがどのように貢献するのかについて取り上げる。

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技術のバーゲンセールが起こした業務革新

 クラウドに対するユーザーの不安をテーマにしたセッションに続いて、今度はクラウドがビジネスにどう貢献するのかという点で討論が行われた。前回と同様に、モデレーターを務めるITR シニア・アナリストの舘野真人氏が事前に行われたアンケートの結果を紹介した。

zu03-01.jpg クラウドに期待するメリット(出典:「クラウド討論会2011」事前アンケート)

 結果として、「コスト削減メリット」を挙げる回答が目立ったものの、クラウド利用を前向きに捉えている企業からは、「ビジネススピードの向上」「拡張性、柔軟性の高さ」「端末自由度の高さ」などが挙がった。つまり、クラウドをコストメリットだけでなく、生産性を向上させ、ビジネス改革を進める技術としても捉えているということだろう。

 舘野氏は、最近の企業の役員クラスがスマートフォンやタブレット端末に興味を持ち、これらの端末からクラウドサービスを活用するプランをトップダウンで決定するというケースも増えていると指摘する。最新の端末を利用したクラウドのビジネス活用という流れについて、アイティメディア ITインダストリー編集統括部長の浅井英二氏は次のように話す。

 「クラウドは、かつてのインターネットと同じで、技術のバーゲンセールのようなもの。今までなら莫大なコストがかかっていたことを、わずかな料金で実現できるようになる。これに乗らない手はないと企業の経営層が考えるのは当然のことです。経営者は時代の流れに敏感です。ある企業のCIOは、自分が統括する部署での業務連絡を全てTwitterで行うという実験を開始しました。メールのやりとりでは、相手によって情報を提示する方法を変えることがあります。このようなことを止めようというわけですね。できるだけ、情報はオープンにする。ツイートで全ての人が同じ情報を手にすれば、後から聞いていない人に補足する手間もなくなる。一瞬で情報共有ができます」

 これなどは、まさしくクラウドというサービスが登場したことによって生まれたビジネス革新の好例と言えるだろう。

 今後活用する企業が増えると期待されるクラウドサービスについてアスキー・メディアワークス TECH.ASCII.jp 編集長の大谷イビサ氏は「DaaS」(Desktop as a Service)を挙げる。

 「これまでは新入社員にノートPCを与えることが常識でしたが、今後はIDを付与し、社員はそれを使ってどこからでも自分のデスクトップ環境にアクセスして、仕事をするようになるかもしれません。生産性の向上が大いに期待できるのではないでしょうか。この種のサービスは以前からあって、シンクライアントを導入している企業もあります。しかし一般的には、シンクライアントの導入コストは高くなります。ユーザーごとにサーバを用意するようなシステムでは、コストが高くなるのは当然ですが、その常識をクラウドが覆したわけです」

 まさに“技術のバーゲンセール”が起こした業務革新の典型例である。

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