巨大ボットネットの「Rustock」がダウン――迷惑メールは激減か

世界の迷惑メールの半数あまりを流通させていた巨大ボットネット「Rustock」がダウンした。

» 2011年03月18日 07時46分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 世界の迷惑メール(スパム)の半数あまりを流通させていた巨大ボットネット「Rustock」がダウンし、スパム送信を停止したもようだ。米Symantecやスパム情報ブログのKrebs on Securityが3月17日(現地時間)に伝えた。

 Symantecは、16日の時点でRustockからのスパム送信が止まったのを確認したと報告。Krebs on Securityも世界の迷惑メール流通量が激減したと述べ、「スパム対策活動家が、恐らくインターネット史上最大のボットネットをダウンさせることに成功した」と伝えている。

 ボットネットとは、マルウェアに感染させて攻撃者が遠隔操作できるようにしたPCのネットワークのこと。スパムの大部分はこうしたネットワークを使って送信されている。中でもRustockは世界最大級の勢力を持っていた。

 Symantecによると、2010年末の時点で世界の全スパム流通量の47.5%はRustock経由で送信され、ピーク時には半数を超えたこともある。ただ、ここ数カ月はBagleなどその他のボットネットが台頭し、Rustockは押され気味だったという。

 「Rustockからのトラフィック量は、スパム動向全体に大きな影響を及ぼす」とSymantecは解説し、今回のダウンによって、スパム流通量は当面、減少が予想されるとしている。ただし、恒久的にダウンしたままになるのかどうかは現時点では判断できないという。Rustockからのスパム送信量は2010年後半にも一時的に急減したが、すぐに勢力を盛り返した経緯がある。今回も同じことが繰り返されるのかどうかは、時間がたってみなければ分からないという。

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