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» 2011年05月18日 08時30分 UPDATE

SAPPHIRE NOW 2011 Orlando Report:新たな次元の「リアルタイム」でビジネスを変革、米国先進企業は再び成長軌道に (1/2)

SAPPHIRE NOW 2011 Orlandoは、共同CEOを務めるマクダーモット氏とスナーベ氏の基調講演が行われ、本格的な開幕を迎えた。ステージでは、「インメモリ技術」による桁違いのスピードと「モバイル」によるリーチの拡大によって競争力を高めている先進企業の事例が紹介された。

[浅井英二,ITmedia]

 フロリダの空は抜けるように青く、スペースシャトル「エンデバー号」の最後の打ち上げも成功した。6月には「アトランティス号」の最終飛行を控えており、人類が生み出した最も複雑な機械といわれるスペースシャトルも30年以上の歴史に幕を閉じようとしている。今後は、民間の商用宇宙船に役目を引き継ぐという。

 東西冷戦の終結を受け、1990年代から民間への開放が進んだインターネットは、情報へのアクセスを劇的に変えるとともに、今日の「Big Data」につながる情報そのものの爆発的な増加ももたらした。10年後にはバブルがはじけることになったが、ドットコムブームは情報技術のバーゲンセールを招来し、その後、Googleをはじめとするクラウドコンピューティングのプレーヤーを多数生み出した。この安価になった革新的な技術をどう生かすかが、伝統的な企業にとってもビジネスのカギを握っているのは言うまでもない。

showfloor01.jpg SAPPHIRE NOW 2011では3つのスタジオが特設され、4万人以上がネット越しで参加した

 ソフトウェアベンダーの老舗であるSAPは40年間、企業規模でビジネスプロセスを統合するエンタープライズビジネスアプリケーションの開発にフォーカスしてきた。それこそが同社の強みだが、2008年にビジネスインテリジェンスのBusiness Objectsを買収・統合、さらに昨年は、革新的な技術領域で次々と手を打った。インメモリ技術の本格的な製品化とSybaseの買収だ。リレーショナルデータベースの老舗として知られるSybaseだが、このところはモバイル技術に力を注いでいた。「オンプレミス」だけでなく、「オンデマンド」でも「オンデバイス」(モバイル)でもSAPの強みが発揮できるよう、大きく舵を切った。

 米国時間の5月17日朝、SAPの年次カンファレンス「SAPPHIRE NOW 2011 Orlando」は、共同CEOを務めるビル・マクダーモット氏とジム・ハガマン・スナーベ氏の基調講演が行われ、本格的な開幕を迎えた。昨年は欧州のフランクフルトとフロリダ州オーランドで同時開催されたSAPPHIRE NOWだが、今年は欧州が秋に持ち越されている。欧州とは時期がずれたが、ここオーランドのオレンジカウンティ・コンベンションセンターでは米国のユーザーグループ、ASUGの年次カンファレンスと併催され、1万4000人が集まり、収容規模が6000人は楽に超えるだろう特設の基調講演会場もASUGカンファレンスのオープニングが行われた月曜から参加者でびっしりと埋まっている。また、昨年の変更名称(SAPPHIRE“NOW”)から、Webキャストに力を入れており、3つのスタジオも特設している。ネット越しで視聴する参加者も4万人を超えるという。

インメモリはすべてを変える

bill01.jpg SAPのマクダーモット共同CEO

 「ネットの浸透で消費者の購買行動は変わり、顧客に関する情報も膨大に生み出されている。こうしたBig Dataをどう意思決定に生かすのか? 今こそ変革の時。成長に向けて切り替えよう」と話すのは、主に営業とその戦略を統括するマクダーモット共同CEOだ。

 SAPは昨年のSAPPHIRE NOWで、従来の「オンプレミス」だけでなく、「オンデマンド」でも「オンデバイス」でも同社のソリューションを生かせるようにし、「インメモリ技術」による桁違いのスピード、「モバイル」によるリーチの拡大を顧客に約束していた。このカンファレンスはそれらの約束を果たす場だ。

 「インメモリはすべてを変える得る技術。この革新的な技術を活用すれば、企業は状況に応じて戦略のシナリオを見直し、新たなビジネスモデルをシミュレーションし、迅速に顧客層や価格帯を変えていける」(マクダーモット氏)

 製品とソリューションを統括するスナーベ共同CEOも「魚の群れ」が互いの距離を計りながら衝突しないで泳いでいることを引き合いに出し、ビジネス環境の変化に即応(センス&レスポンス)する能力が企業に競争力をもたらすことを強調した。

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