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活用と保護を両輪に:データの流れをサプライチェーンとして捉える情報ガバナンスとは?

データが急増を続ける中にあって、企業が新たな成長軌道を描く上で情報活用の必要性が増している。それとともに、データを管理するデータベースのセキュリティ強化が求められている。一般に、管理を強固にするほど、情報は活用しにくくなりがち。この課題を克服し、情報の価値を最大限に引き出すことを支援するアプローチはどのようなものだろうか。


多様・膨大な情報をリアルタイムに活用する必要性

 ITの技術革新を背景に、我々の世界で日常的に発生する情報はその種類と量の両面で飛躍的な増加を続けている。例えば、サプライチェーンの高度化の切り札と目された無線ICタグは確実に企業の現場業務に根付きつつあり、その数は2005年の13億個から2010年には30億個と2倍以上も増加。これはすなわち、無線ICタグがさまざまな目的の下に多段階に活用されることで、発生する情報がいわば“雪だるま式”に増えていることを意味する。

 また、TwitterやFacebookといった新たなコミュニケーション・ツールの登場も情報爆発の加速要因となっており、そこで生成される情報は1日当たり前者で7テラバイト、後者で10テラバイトにも達するという。もちろん、情報革命の発端となったインターネットの利用者も新興国の経済成長により今後も増え続け、同様の理由から携帯電話でやりとりされる情報も加速度的な増加が予測されている。その結果、新たに生み出される情報は今後10年で約44倍も増加するとの予測もある。

 こうした中、企業が今後も持続的な成長を遂げるにあたっては、これらの多種多様かつ膨大な情報をリアルタイムに活用するための仕組みの整備が急務となっている。すでにマーケティング活動の高度化などを目的にTwitterのログ分析などに取り組む企業は少なくないが、のみならず、世の中のあらゆる情報から各種の変化をいち早く読み解き、その対応にあたることが競合他社との競争に勝ち抜く上で欠かせなくなっているのだ。裏を返せば、情報に価値を見出せない企業は、そう遠くない将来に競争の場から退場する運命にあると言えるだろう。

データベースにまつわるリスクもさらに増大

 そのことは企業が抱える経営課題にも明白に表れている。IBMが実施した調査によると、ビジネスリーダーの3分の1が信用度の極めて低い情報や、まったく情報を持たない状態で意思決定を下し、また半数が業務に必要とされる情報にアクセスできていないと答えており、これらは情報の活用基盤が十分に整備されていない企業の現実を物語っているといえる。

 一方で、83%のCIOが今後の競争力強化のための施策として「ビジネスインテリジェンス(BI)と分析」を挙げ、また、トップクラスの業績をあげている企業は、従来からの直感的なアプローチではなく、分析的アプローチをとっている割合が平均の5.4倍に達している。このことからは情報活用の重要性と有効性の高さを伺うことができよう。

 ただし、これほど情報の価値が高まり、さまざまに利用が進められているが故に、その管理にさらに慎重を期すことが企業には求められている。各種の情報漏洩事件によってこれまで多くの企業が金銭的、社会的な損失を被ってきたことからも、そのことは明らかだ。

 中でもここにきて扱いに厳格を期すべきものと広く認知されるようになったのがデータベースに格納された情報である。多くの企業では企業活動に欠かせぬ貴重な情報を、データベース上に集約し続けてきた。万一、そこへの不正アクセスを許した場合には、ファイルサーバに格納したものなどとは比較にならぬほど膨大な量の情報が漏洩してしまいかねないのだ。

IIGでデータの“統合”と“ガバナンス”を強化

 では、いかにしてデータの活用をさらに推し進め、かつデータベースのセキュリティの強化を図るべきなのか。その実現に向け、IBMが提唱するアプローチが、情報の収集から分析作業によってアウトプットを出すまでの一連の情報の流れをサプライチェーンとして捉え、各段階で利用を適切に管理することで情報の“統合”と“ガバナンス”の強化を図る「Information Integration&Governance(IIG)」である。

zu01.jpg 情報をサプライチェーンとしてとらえ、ライフサイクルの各段階で適切に対処する

 一般的に企業でデータがどのように扱われるのかを概観してみよう。まず、情報は外部の情報ソースから社内に取り込まれ、データベースや各種のコンテンツとして管理される。次に各種の分析作業のために情報のインテグレーションが実施され、マスターデータに統合されるとともに、その結果がDWHにも反映される。そして、最終的に情報を基に分析用のキューブが生成され、BIツールによって多面的な分析作業が行われる。IIGの狙いは、この“管理”、“統合”、“分析”という各段階の作業の効率化や高度化のみならず、ガバナンスが利いた高いセキュリティ基盤の上で“品質”や“ライフサイクル”の観点から情報を継続的に精査できる仕組みを構築することにある。

 その必要性は情報の複製が容易かつ何度でも行えることからも理解できよう。膨大なデータ中の一部にでも誤った情報が含まれていた場合には、何度も複製・加工される過程で誤ったデータの占める割合は加速度的に増加することになる。ひとたびそのような事態を招いた場合には、いわば“汚染”された可能性のあるものも含め、膨大な量のデータを破棄せざるを得ない。

 だが、各段階で精査する仕組みを設けておけば、破棄すべきデータを最小限に抑えられる。しかも、全社的にガバナンスが利かされており、情報漏洩のリスクも払拭することが可能になる。

IIGを実現するための5つの“課題”

 情報の生成から廃棄までのライフサイクルにわたり、その効率的な管理のためにポリシーにのっとり情報を扱う情報ライフサイクル管理はすでに多くの企業で実施されている。加えて、情報の品質の面からも管理に取り組むことで、真に活用すべきデータを絞り込めるようになるわけだ。ひいては、データ分析の作業効率と分析結果の精度の双方が高まることで、競争力のさらなる底上げが期待される。

 その実践についてIBMは、5つのテーマを重点課題に挙げている。すなわち、「データのセキュリティ/ライフサイクル管理」と「データウェアハウジングと分析」、「情報の統合」、「マスターデータ管理」、「データベースマネジメント」であり、データの“統合”と“ガバナンス”を両輪とする情報サプライチェーンの高度化に向け、そのいずれもが欠かすことができない要素と位置づけられる。

 これらのことを踏まえ、IBMは各テーマに取り組む企業を支援するために、活用が見込める製品群の提案とそのための方法論の提供などにもすでに取り組んでいる。そのメリットを享受する企業は着実に増えており、ある大手銀行はこれまで埋もれていた30万件の顧客情報を統合することで、顧客単価の向上を通じた売上の増大を実現。また、データ品質を最適化することで、66%の売上増大を実現した企業もある。

 大規模なシステムを抱えたある企業は、情報ライフサイクルに基づくアーカイブ処理の徹底によって35万ドルものディスク費用を節約するとともに、パフォーマンスを40%以上も改善させたという。さらに、データベースへのアクセス監視の仕組みを整えることで、情報保護の強化とコンプライアンスを実現し、併せて監査を効果的に実施できるようになったことから239%の投資対効果を実現した例もある。IBMの提唱するIIGは、これらのベストプラクティスのいわば集積と位置づけられるのである。

 情報の管理と統合、分析、統制のための柔軟なプラットフォームを実現し、そのメリットを引き出すための環境を整備するためにも、自社の情報基盤を今一度、見直してはいかがだろうか。

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年9月30日


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