Facebook、「Open Graph」をアップデート アプリの存在がより重要に

「いいね!」ボタンの拡大版といえる「(レシピを)料理した」「(映画を)観た」「(ニュースを)読んだ」といったアクションをアプリに組み込むことで、ニュースフィードやタイムラインでのアプリのプレゼンスをこれまでよりも強化できる。

» 2011年09月23日 17時17分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Facebookは9月22日(現地時間)に開催した開発者向けカンファレンス「f8」で、2010年のf8で発表した「Open Graph」をアップデートしたと発表した。アプリ開発者はOpen Graphの機能をアプリに組み込むことで、前日発表された新ニュースフィードや「Ticker(日本名はリアルタイムフィード)」同日発表された「タイムライン」でのプレゼンスを強化できる。

 Open Graphは、Webサービスやアプリがそれぞれに形成している「ソーシャルグラフ」を結び付けるプラットフォーム。「いいね!」ボタンをFacebook外のWebサイトに設置できるようにしたこともソーシャルグラフ拡大の一環だ。今回のアップデートで、対応範囲をサードパーティー製のアプリ内でのユーザーの活動に拡大し、アプリのFacebookへの統合を強化する。

 Open Graphの紹介ページによると、アプリには「Add to Timeline」ボタンやいいね!ボタンの発展系であるactionボタンあるいはobjectボタンを設置できる。これらのボタンをユーザーがクリックすると、そのユーザーのタイムライン、ニュースフィード、リアルタイムフィードにそのアクティビティが表示される(表示範囲などはユーザーが設定できる)。

 open graph 1

 actionボタンというのは、例えば料理レシピアプリであれば「料理した」というような“動詞型”のボタン。objectボタンは、料理レシピアプリの例では「レシピ」ボタンになる。音楽アプリなら「聴いた」、ニュースアプリなら「読んだ」、映画アプリなら「観た」。ユーザーがこうしたボタンをクリックすると、そのユーザーのタイムライン、ニュースフィード、リアルタイムフィードにそのアクションがサムネイル画像付きで表示される(Huluで「スパイダーマン」を観た、など)。従来のいいね!ボタンより具体性があるため、開発者にとっては新たなユーザー獲得の機会が増えることになるだろう。

【9月24日、以下2段落と1画像を追加し、次の段落を修正しました】

 actionはボタンの形をとらせずにアプリに組み込むこともできるようだ。ニュースアプリの「Washington Post Social Reader」では、アプリを許可した段階で自動的にニュースフィードやリアルタイムフィードにユーザーが同アプリを許可したことが表示される。また、アプリ内にactionボタンはなく、ニュースを読むと自動的にニュースフィードとリアルタイムフィード(と恐らくタイムライン)に「<ユーザー名>は<記事タイトル>をWashington Post Social Readerで読む」とフィードされる。

 また、アプリ内では自分の友達がどの記事を読んだかが表示される。なお、同アプリを許可する際、タイムラインに同アプリを表示することを求められる。

 no button

 例えばSpotifyのような音楽アプリの場合、ユーザーはリアルタイムフィードに表示された友達の「Spotifyで○○を聴いてる」というフィードをクリックすることで、その曲を自分でも再生できる。既に同じアプリを利用している場合はアプリの同じ曲のページに飛び、まだ利用していない場合はそのアプリを許可するページに飛ぶ。

 open graph 2

 幾つかのパートナー企業がOpen Graphに対応したアプリを発表した。音楽ではSpotify、Rhapsody、turntable.fm、rdioが、動画コンテンツではHuluとNetflixが、ニュースメディアではGuardian、Washington Post、digg、The Daily、Yahoo!、Flipboardなどのアプリがリリースされている。

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